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「この夏は10年に一度の猛暑」と言われるほど、今年は暑さの厳しい南フランス。6月末から30℃越えは当たり前、40℃近くまで上がる日も珍しくありません。けれども、どういうわけかクーラーのない家が多く、わたし(記者)の住んでいるアパートも扇風機のみ……。だれか、どうにかしてッ!!

そんな状況下では、料理するのもちょっと苦痛です。なるべく火を使わない料理ができたらなぁ! 作り置きができるお惣菜だったり、火を使うとしても時短で済むものだったり、そういうレシピがいくつかあれば重宝しそう。そこで、夏場でも無理なく作れる1週間の献立(2人分)を考えてみました。夏のフランスの日常風景と共にご紹介します♪

【日曜日】エッグズベネディクト&ビール

バカンスを過ごす人の多い地中海沿いの南仏地域やパリ中心部などは別として、地方都市では、多くのお店がクローズしてしまう日曜日。そこで日曜の朝はゆっくり起きて、ブランチをします。もともとフランスには「ブランチ」の習慣はありませんが、近頃はパリを中心に人気の模様。

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夏はバカンス中の人も多いため、カフェや公園など、昼間からビールをグビグビしている人をあちこちで見かけます。休日のブランチ&お酒は、特に予定がなくても、最高の1日を約束してくれそう! 以前ご紹介したエッグズベネディクトはブランチの定番的メニューです。
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【月曜日】ベトナム風サラダ麺、野菜のポタージュ

フランスにはベトナム料理のレストランがたくさんあります。中華料理店に足を運んだのに、ベトナム風料理を供されることもしばしば。かつてはフランス統治下にあったという歴史的な背景もあり、ベトナムから移住してきた人たちが経営する中華屋さんが多いようです。

●ベトナム風サラダ麺
春雨100gを茹でて、水で軽く洗ってほの温かい状態に。ナンプラー大さじ1、一味唐辛子小さじ1、ハチミツ小さじ2、レモン汁(1/2コ分を絞ったもの)でタレを作り、麺に絡める。お皿に麺を盛り付けて蒸し鶏(市販のサラダチキンでも)、ハム、ミックスリーフ、目玉焼き、砕いたピーナッツをバランス良く盛り付けます。塩気が足りなければ、お好みでナンプラーをかけていただきましょう。

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【火曜日】ラタトゥイユのパスタ、アペロチーズ

トマトやズッキーニ、パプリカなどの夏野菜を、プロバンス産のハーブミックス「エルブ・ド・プロバンス」と一緒に軽く煮込んだ「ラタトゥイユ」は、夏らしい一品です。肉や魚料理の付け合わせにしても、パスタと合わせても美味! 温かくても冷たくてもイケちゃいます。

●ラタトゥイユ
大きめの鍋にオリーブオイル大さじ3とみじん切りにしたニンニクひとかけを入れて、弱火にかけます。1cm角に切った玉ねぎ1コ、ズッキーニ1本、ナス2本、パプリカ1コを順番に投入、木べら炒める。オイルとよく馴染んだら、ダイス状にしたトマト、エルブ・ド・プロバンス、白ワイングラス1/2杯を入れてひと混ぜして、10〜15分ほど煮込む。海塩(小さじ2程度)、黒胡椒をして全体を混ぜ合わせる。

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【水曜日】スイカとトマトのブルスケッタ&ニシンとポテトのリヨン風サラダ

サマータイムを採用しているため、21時を過ぎてもまだまだ明るい夏のフランス。仕事が終わる19時以降でも、ガンガン遊びたくなっちゃいます! ピンク色にテンションが上がりそうな食前酒「シードル&ロゼ」を持って、週の半ばでも夕方からピクニックに出かけます。

●スイカとトマトのブルスケッタ
ボウルに種と皮を取って1cm角にカットしたスイカ、同じように切ったトマト、みじん切りにしたニンニク小さじ1/2・ちぎったバジル3~4枚・オリーブオイル大さじ1〜2を入れて、スプーンで混ぜる。塩・コショウで味を調える。スライスしたバゲットにのせて召し上がれ。

「スイカ × トマト」は、フランスの料理雑誌でよく見かける組み合わせです。トマト単体で作るよりも、ずっとオシャレな味わい! 

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【木曜日】グリーンカレー

体力の落ちる夏は、スパイスや唐辛子で疲労回復を図りたいもの。以前ご紹介したように、フランス人は辛いものが苦手なのですが、フランスで暮らすアジア人の食卓には必要不可欠! アジア食材店に足を運べば、地方都市でもサンバルソースやトムヤムペーストなど、東南アジアの辛い食材が手に入ります。

以前にレシピをご紹介したグリーンカレーにも、やっぱりビールがよく合うッ!!

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フランスには、ビールを使ったカクテルがいろいろあります。ビールにグレナデンシロップとレモネードを加えて作る「モナコ」は、夏場は特に人気が高いようです。

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【金曜日】ピカールのディナー & サングリア

毎日のご飯作りって大変! そこでフランスの家庭では、ちょっぴり高価な冷凍食品「ピカール」の食品を利用することが多々あります。解凍してそのまま、あるいはチンするだけ、もしくはオーブンで焼きあげるだけ。テーブルセッティングをすれば、ちょっとしたディナー気分が楽しめるのも素敵。

自家製サングリアと合わせて、いただきましょう! 以前ご紹介した、赤ワインをオランジーナで割るお手軽サングリアなら、準備もラクラクです。

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【土曜日】マッシュルームオムレツ&チーズの朝ごはん

ふわっとしたオムレツ、おいしいですよね。10分あればすぐに作れちゃう手軽さも魅力です。フランスでは夕食の前や、デザートの後にいただくチーズを、あえて朝食の1品にしてみました。朝ならチーズを思う存分食べても、カロリーをしっかり消費できそう。

●マッシュルームオムレツ
マッシュルーム10コは1cm角のダイス状にカットして、オリーブオイル大さじ2で炒める。パセリのみじん切り大さじ1/2を加えて、塩・コショウをしておく。卵3コに生クリーム50ccを加え、塩・コショウをして、フォークで軽く溶きほぐす。

フライパンを中火にかけてオリーブオイル少量を熱し、卵液を流して固まってきたら、中央にマッシュルームソテーとお好みのチーズをのせて、形を整えます。

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夏のフランスの様子、なんとなく伝わりましたか? お料理はフランスのキッチンで作っているものですが、どれも国内のスーパーで手に入る材料で作れますよ! おいしく食べて、暑い夏を元気に乗り切りたいですね。

レシピ & 調理・撮影・執筆=sweetsholic (c)Pouch