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ひと昔前に「3K」なんて言葉もあったほど、「きつい」「汚い」「危険」というイメージがあるガテン系のお仕事。しかし実際はめちゃくちゃアツイ魂を持った男たちがひしめき合う、都市カルチャーを象徴するフィールドのようなのです。

今回ご紹介するのはそんな土木建設業界の一端を垣間見られるフリーマガジン「ブルーズマガジン」私(記者)の手元にあるのは3号ですが、表紙からして激シブ!

デカいサングラスにスーツ姿で葉巻をくわえた男性……こんなのゴルゴじゃん! デューク東郷さながらの男性が手にしているのは狙撃銃……ではなく土木用のドリルなところがなんともかっちょいいです。

【土木現場は日本の先端シーンだ!】

そもそもこの「ブルーズマガジン」、どういった趣旨のフリーマガジンなの? 表紙をめくって3ページめに「緊急告知」としてこんな文章が並びます。

土建を取り巻く日本の社会状況は大荒れだ。誤解と思い込みによって、社会から嫌われている。人間が集まってこない。

土建は躍動する人間ライブの表出であって、そこで働いているのは、じつは我々自身であって、見ず知らずの誰かではないんだ。音楽、ライブ、芝居、物語、ドキュメント……。さまざまを通してみる土建の現場は、さまざまなカルチャーがダイレクトに重なりあいながら成立している先端シーンだ。

現在の日本社会の姿をキャンバスに描こうとしたときに、「土建」を臥龍点睛における「点」として配置すると、見たことのない新しい日本の姿が見えてくる。されば描いて見せようじゃないか。

……うおぉぉぉ、なんてアツイんだ!! 土木現場で働く男たちの心の叫びが聞こえてくるようです。土建業界はホントにこんな吉田栄作ばりにアツイ男たちの巣くつなんでしょうか。

【内容もアツくて濃い】

さて「ブルーズマガジン」3号の中身ですが、こちらもまたまたアツくて濃いです。文科系50歳代のおじさん3人が夏の炎天下のもと現場作業にガチで挑んだルポや、現役最高齢80歳のエレベーター職人のおじいちゃんの話、外国人労働者の “トラブル解決人” ハナフィーさんの話などなど……読み物としてそうとう面白い。

そしてフリーマガジンらしく最後のほうには求人募集のページも。あ、もちろん配管工や大工工事などのブルーカラーのお仕事ばかりです。

【なにげに製作・執筆陣が豪華】

現場の中にいる人はもちろんのこと、まったくもって土建業界にかかわりがない人が読んでも楽しめる「ブルーズマガジン」。全国の書店やライブハウス、イベントスペースなどで無料配布中なので、見かけたらぜひ手にとってみて。

作家の石丸元章さんが制作指揮・主筆を務めていたり、現代美術家の会田誠さんの連載があったりと豪華な製作・執筆陣にも注目です。

参考:ブルーズマガジン
執筆=鷺ノ宮やよい (c) Pouch

▼エレベーター専門53年の熟練工、現役80歳のおじいちゃんの話

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▼外国人動労者専門のトラブル解決人・ハナフィーさん。ハードボイルド小説に出てきそう

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▼求人募集ページ。「水曜日は鱒のお寿司。食べちゃうぞ♡」がジワジワ来る

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