bella_main_large
[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかから、おススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

2016年の最初のシネマ批評は、お正月早々ブラックな笑いをお届けします。今回ピックアップするのはドイツ映画『ベラ Bella』(2016年1月2日公開)です。

一見、かわいいお人形ですが、実はあの『テッド』顔負けの口が悪く素行も悪い……。そのお人形が婚約中のラブラブカップルの仲をぶち壊す?という異色のコメディです。

【物語】

身長50センチのベラは、赤毛のかわいい女の子の人形ですが、実は酒もタバコも男も大好きというビッチです。裸もOKの個性派女優でしたが、遊び過ぎて破産したベラは、幼い頃一緒に過ごしたヤナ(ローラ・バーリン)の家に転がり込みます。

ヤナにはラブラブの婚約者ウォルフガング(トム・ペック)がいますが、彼とベラは相性最悪! ふたりはヤナを取り合うようになってしまうのです。

bella_cap_33_large

【テッドの強敵登場!】

不良の親父クマとして人気を博したテッドですが、その女性版がこちらのドイツ映画『ベラ Bella』。最初はかわいく登場したベラだけど、意外にも……という展開はすっ飛ばして、いきなりエロいベラが登場。「私は一筋縄ではいかない女よ」といきなり宣戦布告されたような……。

主人公の幼い頃の親友だったり、しゃべる人形としてマスコミに持ち上げられたり、それらの展開はテッドと同じなのですが、やはりベラは女ですからね、テッドよりも嫉妬深いんですよ。親友のヤナに婚約者がいるのが気に食わない。「私の親友のヤナなのに~!」と彼女を取り戻すために余計なこと言ったり。

テッドはそういうことはしなかったから、ある意味、ベラの方がヒール色高めかもしれません。

でも彼女は寂しいのです。自分のそばにいてくれる人は誰もいない。「もうお前は用がないよ」と言われてヤナを頼ってきたわけですから。もう少ししおらしくしていればいいのですが、そこは元来の気の強さで高飛車なんですよね~。

「かわいく振舞えば、乗り越えられるのに~」と思ったりするけど、そこがベラの個性なのです。ベラの毒に慣れてしまうと、良い子のベラなんてつまらないと思ったりもして。
bella_cap_11_large

【オンライン上でも上映予定!】

『ベラ Bella』はヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田の「未体験ゾーンの映画たち」というプログラムで上映されます。世界各国から集めたちょっと変わった映画たちを次々と上映するもので、料金は1300円と通常のロードショー料金よりもお安く設定されているのがうれしい!

ホラーやアクション系の個性派&過激な映画が多いけど、その中でも『ベラ Bella』は異色。かわいさと過激さと楽しさのミックスですからね。まゆげの動き方などテッドにそっくりで、共演してほしいと思うくらい。毒舌の応酬になりそうですけど、すごいバトルが見られそう~。

オンラインでも見られるようになる予定ですから、詳細は「未体験ゾーンの映画たち」公式HPをご確認ください。正月早々、ベラの毒気にあたって心身ともに強くなり、2016年をたくましく乗り切りましょう!

『ベラ Bella』
(2016年1月2日より、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で公開)
監督:ジョッシュ・プロエッカー
出演:ローラ・バーリン、トム・ペック、ダニエル・ローズナーほか
(15歳未満の方は鑑賞できません)
(C)Produced under the Copyright License of Red Arrow International GmbH.All Rights Reserved.

▼「ベラ bella」予告編