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その昔、記者(私)がまだ、幼い少女だった頃。横にして、その後立ち上げると目をぱちっと開けるお人形を、大事に大事に持っていたっけ。

遊んでいる際にはいつだって、そのお人形に話しかけていた。もちろん、人形はその問いかけに答えることはなかったのだけれど……ごく最近発売された新作のバービー人形は、話しかけるとちゃんと答えてくれるらしいのですよ。

【とっても現代的なバービーなのですが……】

「お話する」とはいえど、 “あらかじめプログラミングされた言葉のみをおしゃべりする” 程度だって、普通は思うでしょう?

でもね、2015年11月にマテル社からリリースされた『Hello Barbie』は、WI-FI接続ができ、話しかけた子供の声をクラウドに保存。話し方や趣味嗜好も覚えて分析し、ユーザーが望むような答えを返してくれるそうなのです。しかし……。

【子供の会話をためていく、ということは】

このバービー人形はつまり、子供との会話を通じて個人情報を収集し、自動的にクラウドにためていく装置だとも言えるわけです。しかもSiriのように、「人工知能」というスペックを兼ね備えている。それがもし、ハッキングされたとしたら……?

【専門家も危険性を指摘】

海外サイト「TODAY.com」の報道によれば、同商品における危険性をBluebox Labの研究員が分析した結果、彼らは「セキュリティー面において深刻な問題」があると指摘。つまりは、ブレーンとなるクラウドのハッキングを危惧する声が挙げられたのです。

【「市場を支配しないよう声をあげるべき」】

海外サイト「Salon.com」ではこの論争を、「Hello Barbie’s war」を表現。親たちはこの “子守りをしてくれる人形” が市場を支配する前にそれを拒否しなければならない、と訴えています。

【個人情報がだだ漏れに】

子供自身、そしてその子が興味を惹かれる対象は何であるかを知ること。さらには家がどこにあるのか。家族構成は。人形と交わす何気ない会話の中で個人情報を獲得することは、考えるまでもなく、簡単なことです。

【他者との会話を人形が代替】

また、個人情報管理の問題はもちろんのこと、子供の脳の発達過程において大切な他者との “コミュニケーション” を人形(機械)とさせることも問題視されている、と「Salon.com」は報道。

専門家を始めとする各方面からさまざまな問題を指摘される中、マテル社は現在もなお『Hello Barbie』を販売し続けています。さてあなたは、この商品についてどう思われますか?

参照元:Shop.Mattel.com TODAY.com Salon.com
執筆=田端あんじ (c)Pouch

▼実際に使用しているところ/ベルトのボタンを押すとおしゃべりするようです