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2015年7月は、広島と長崎に原爆が落とされてから、ちょうど70年目に当たる節目のときでした。

このタイミングを機に、首都大学東京システムデザイン学部の渡邉英徳研究室は、広島女学院中学高等学校と共同で、膨大な被爆資料と最先端技術を融合した多元的デジタルアーカイブズ「ヒロシマ・アーカイブ」を大幅にバージョンアップ。

「広島原爆の日」の1カ月前となる同年7月6日に公開された、広島原爆の実相を世界に伝える多元的デジタルアーカイブズ 「ヒロシマ・アーカイブス」を、本日はみなさまにご紹介したいと思います。

【被爆者の証言と原爆の記録をマッピング】

被爆者の貴重な証言と原爆の記録を未来にのこすことを目的として、もともとは2011年7月に発表された「ヒロシマ・アーカイブス」。

広島平和記念資料館、広島女学院中学高等学校、八王子市原爆被爆者の会などから提供された資料を一元化。それらをデジタル地球儀にマッピングしたこちらには、あの日なにがあったのか、その事実が克明に記録されています。

【写真をクリックしてみましょう】

「デジタルアースで閲覧する」ボタンをクリックすると現れるのは、爆心地を中心とした広島の地図。放射状に転々と置かれた顔写真と、建物などの写真が並んでいます。

それぞれの写真をクリックすると、原爆投下前後の建物の様子、また写真の人々が経験した原爆体験のインタビュー動画や、テキストを読むことができる仕組み。また左上のメニューから、長崎や沖縄のアーカイブを見ることが出来ます。

【残酷な現実が胸を打つ】

記者(私)はその中の1つを読んだだけで、かなりの疲労を覚えました。それくらい、みなさんが経験したことは類を見ないほどに残酷なことで、例えるならば、地獄。家族や同僚、友人、たくさんの人々の命が失われた悲しみが重く広がります。

読むだけでも相当のパワーを要する話を、実際に体験することが、どれほどのことなのか。それを想像するだけでも胸が痛くなり、目頭が熱くなります。

【この日を決して忘れてはならない】

悲しいかな、人は、忘れる動物です。そして被爆者の方々の高齢化が年々進むにつれて、 “日本人が決して忘れてはならない1日” を語ることができる生き証人が、減っていきます。

だからこそ、この試みは非常に価値あるものであり、あの日の出来事の詳細を、すべての世代が知っておくべきだと思うのです。このような悲劇を、二度と起こしてはならない。原爆の恐ろしさ、悲惨さを深く知ることができる「ヒロシマ・アーカイブス」。お時間がある際にぜひ、ご覧になってみてください。

参照元:ヒロシマ・アーカイブス 首都大学東京
執筆=田端あんじ (c)Pouch