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本日ご紹介するのは、現代美術の国際美術展覧会「ヴェネツィア・ビエンナーレ」のサテライト会場で展示されているインスタレーションのYouTube動画です。

「Infinity Kitchen」と銘打たれたのは、収納スペースの中からゴミ箱、排水パイプまで、ツルっと丸見えの透明なキッチン。

このキッチンを通して見えてくるものとは、一体なんでしょうか。

【透明なキッチンが表現する “重要なこと” 】

このインスタレーションを制作したのは、「MVRDV」という、オランダに拠点を置く建築家集団です。彼らはこの透明なキッチンを通して、料理と調理の在り方を見つめなおし、わたしたちの生活においてどれだけ「キッチン」が重要なものであるかを印象づけたいのだそう。

たとえば食器棚の中は、清潔に保たれているのが理想です。でも実際のところ、こうして透明にしてみなければ、中がどういう状態であるかは普段の生活では気づきにくいですよね。

ゴミの分別についても同様です。生ゴミや不燃ゴミがちゃんとより分けられているかどうかは、中の見えないゴミ箱では曖昧になってしまいます。ですが、このように透明であれば一目瞭然。

【透明にすることで、すべてが見える】

フライパンはどこにあるか、冷蔵庫の中にある食材は何か、ちゃんと新鮮さが保たれているか、排水パイプに異常はないか……「このInfinity Kitchenでは、それらすべてが見える」のだと、MVRDVのディレクターWiny Maasさんは言っています。

料理をしている間に触れるさまざまな食材や道具、器具、生まれる排水とゴミ。過程と結果がすべてクリアに見えることで、意識させられるもの。

料理の色鮮やかさが際立ち、料理を愛する気持ちがさらに強くなる―― Infinity Kitchen は、キッチンとの向き合い方を見つめ直すきっかけになるかもしれません。

日々、料理している記者の身としては「アクリルのまな板、使いにくそうやな〜」などと、アートとは程遠い感想も抱いてしまいましたけどね。ほほほ。

【いつかは透明な家を作りたい】

また Winy Maas さんにとっては、この Infinity Kitchen は壮大なプロジェクトの一部で、いつか大都市のなかで「透明な壁と扉を持つ家」を作ってみたいのだそう。

隣の家のそのまた向こうまで見える部屋……ヒィイィ! 自分の部屋だと思うと血の気が引きますが、完成したらぜひ見てみたいですね!

参照元:YouTubeMVRDV
執筆=森本マリ (c)Pouch

▼やっぱりアクリルのまな板は使いにくそうです