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[公開直前☆最新シネマ批評・インタビュー編]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかからおススメ作品の主演女優を直撃インタビューします。

今回ピックアップするのは映画『貞子vs伽椰子』(2016年6月18日公開)の主演女優・山本美月さんです。

日本のホラー映画界の2大クイーンが激突する本作に主演した山本さんは、雑誌「CanCam」専属モデルとしてスタートし、映画、ドラマなど女優としても大活躍。お人形さんのように美しく可愛い山本さんが、貞子と伽椰子との共演でどんな恐ろしい目にあったのか? またホラー映画について、撮影裏話を聞いてきました!

【物語】

大学教授(甲本雅裕)が “呪いのビデオ” の都市伝説のレクチャーをしている間、寝ぼけ眼で聞いていた有里(山本美月)。

その後、彼女は、友人の夏美(佐津川愛美)にビデオテープのダビングを任され、リサイクルショップでビデオデッキを購入。二人が自宅でダビング作業をしようとしたところ、中に別のテープが入っていることに気付き、有里が好奇心から再生します。
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ところが、有里がスマホに気を取られている間に、夏美は奇妙な映像を見て「これって呪いのビデオじゃないの?」と。夏美がそう言っておびえたとき、髪の長い見知らぬ女性が部屋の隅にたたずんでおり……。

この映画は貞子が登場する「有里×呪いのビデオ」エピソードと、伽椰子が登場する「鈴花(玉城ティナ)×呪いの家」のエピソードが後半からみあい、壮絶な貞子vs伽椰子のバトルへと発展していくのです。

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【『貞子vs伽椰子』との共演は喜びです!】

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貞子と伽椰子という、ホラー界の二人の女帝と共演した山本美月さん。ホラー映画が苦手な女優さんが多い中、山本さんは「ホラー好き」とのこと。では、この映画の出演依頼がきたときのことから聞いていきましょう!

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――2大クイーンが激突するこの映画の出演依頼があったときの気持ちから聞かせてください。

山本美月さん(以下、山本)「とてもうれしかったです。もとは『リング』シリーズと『呪怨』シリーズという別々の映画で、両方一緒に出られる機会なんてめったにありませんから、光栄でした」

――ホラー映画はお好きだそうですね。どんなホラー映画をご覧になっていましたか?

山本「女子高生時代にハマっていまして、これまで見たのは、『貞子VS伽椰子』の白石晃士監督の『ノロイ』。あと『仄暗い水の底から』『人形霊』『オトシモノ』『サイレン』などを見ました」

――日本のホラー映画が好きなんですね。

山本「私は日本のホラー映画の方が、海外のホラー映画のドーンと脅かす恐怖よりも、リアルで怖くて好きです。しっとり、ジワジワと日常に現れる恐怖が描かれていて、映画を見終わっても、ふとした瞬間に引きずられるような怖さがあるんですよ。そこがいいですね」

―この映画でもおびえたり、叫んだり、熱演していましたが、恐怖演技の役作りはどうされていましたか?白石監督からはどのような恐怖演技の指導が?

山本「変に作りすぎるとワザとらしくなると思い、素直に”怖い“という感情を表現したかったので、無理に役作りはせずに臨みました。白石監督からは、ホラー映画の見せ方を教えていただきました。例えば、手に髪の毛がついたら、普通ならすぐに落とそうとするけど、演技では、一度手を開いて、べっとりついた髪の毛を見てから、落とすという感じです」

――なるほど~。そこで気味の悪さや恐怖が表現されるわけですね!

山本「はい。ホラー映画独特の間の取り方ですね」

【完成した映画を見ての驚き!】

――撮影現場の雰囲気はどうでしたか?ホラー映画の現場はやっぱり変な空気が流れているのでしょうか?

山本「いえ、そんなことなくて明るかったです。怖い現象というのも特になかったですね。夏美役の佐津川さんは、役では同年代ですが、年上で女優としては先輩。とってもかわいがっていただきました」

――ホラー映画の撮影前は、お祓いをするというのを聞きますが、この映画ではいかがでしたか?

山本「クランクイン前にお祓いをしました。今までヒット祈願などの経験はあるのですが、ホラー映画のお祓いは大がかりで体験したことのないものでした。東京大神宮で行ったのですが、私は共演の皆さんと一緒に行けなくてひとりだったんです。力強いお祓いをしていただいて……緊張しましたね」

――やっぱり貞子と伽椰子という二大クイーンのホラー映画ですから、二人に敬意を払って本格的なものだったのかもしれませんね! ところで完成した映画を見た感想は?

山本「映画はあとからCGも使うので、現場では何もないのに、何かあるように演じています。だから完成した映画を見てビックリしました。こんな恐ろしいバケモノが目の前で暴れていたのかと。後半はヴィジュアル的にもグロい! と思うくらいの凄さでした。あとやっぱり音がつくと迫力が増しますね」

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【山本美月が指南する『貞子vs伽椰子』の楽しみ方】

――山本さんは、この映画に出て、女優としての学びはありましたか?

山本「体力がついたと思います、とにかく叫びましたから。こんなに叫んだことないってくらい(笑)。最初はノドがやられそう、どうしよう……と心配になったのですが、いつの間にかコツを掴んだみたいで、ノドに負担をかけずに叫べるようになりました。激しいホラー映画撮影を乗り越えたので、またホラー映画のお仕事がきても大丈夫!という自信になりました」

――最後に、ホラーが苦手な女子でも大丈夫な『貞子vs伽椰子』の楽しみ方を教えてください。

山本「『リング』『呪怨』は、それぞれの映画で貞子と伽椰子のバックボーンが描かれているので、心理的にゾっとしますが、『貞子vs伽椰子』は、二人とも最初からお化けとして登場するので、恐怖アトラクションのようです。だから、友だちと一緒にキャーキャー言いながら見るのが楽しいはず。私も女子高生のときは、そうやってホラー映画を一種のイベントのようなノリで見に行っていましたから。思い切り楽しんでください!」

ガーリーなファッションでにこやかに、ホラー映画の撮影裏話を熱く語る山本美月さん。撮影では本当にたくさん叫んだとおっしゃっていましたが、見ている方も叫びたくなるような「え~!」とビックリするような、怒涛の展開なんですよ。

貞子と伽椰子はなぜ闘うのか、どちらが勝つのかが注目のホラー映画『貞子vs伽椰子』。

梅雨のジトジトしたシーズンにピッタリの気味の悪さと山本美月さんの絶叫演技をぜひスクリーンで観てくださいね!
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取材&文=斎藤 香 (C) Pouch
撮影(山本美月)=髙橋明宏 (C) Pouch
スタイリスト:黒崎彩
ヘアメイク:北一騎

『貞子vs伽椰子』(6月18日より、新宿バルト9ほか全国ロードショー)
監督&脚本:白石晃士
出演:山本美月、玉城ティナ、佐津川愛美、田中美里、甲本雅裕、安藤政信
(C)2016「貞子vs伽椰子」製作委員会

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▼『貞子vs伽椰子』予告編