bidakuon

「がぎぐげご」と「か°き°く°け°こ°」を使い分けてください。

こう言われたら戸惑う人が大半ではないでしょうか。ピンとくるのは、学生時代に放送部にいた人や、アナウンサーを目指していた人くらいかもしれません。

【実は「がぎぐげご」には2通りの発音がある】

この「か°き°く°け°こ°」は「鼻濁音(びだくおん)」という「ガ行」の発音を表したもの。英語の「L」と「R」の発音が違うように、実は、日本語の「ガ行」には2通りの読み方があるのです。

鼻濁音は普通のガ行より、柔らかく鼻に抜けるような感じの発音で、そこはかとなくお上品な響きになるのが特徴です。

【どんなときにガ行が鼻濁音になるの?】

ガ行の発音が鼻濁音になるパターンは、大まかに2つあります。

・「私が〜」のような助詞の「が」
・語中の「ガ行」

「ガ行」が鼻濁音になる場合は意外と多く、むしろ普通の濁音になるのは「ガ行」が語頭にくるときくらいだったりします。

鼻濁音例1
鼻濁音例 2

【無意識に使っている人も多いが、九州・中国地方民だとほぼ全滅】

実は、この鼻濁音、わざわざ練習せずとも自然と使っている人もいます。NHKによれば、たとえば、関東や東北地方の人はもともと鼻濁音を使える人が多いようです。ところが、西にいくにつれて、鼻濁音を使う地域は少なくなっていき、九州・中国地方だと使える人はほぼ皆無ということです。

私は九州出身で、高校時代に放送部だったのですが、鼻濁音にはかなり苦労しました。意識して練習しないと、発音できるようになりません。田舎者にとって、美しい日本語への道のりは険しいのです。

【最近は使える人がさらに減っている】

そんな鼻濁音ですが、最近では若い人を中心に、関東や東北出身でも使える人が減ってきているそう。かつて演歌や歌謡曲ではちゃんと鼻濁音を使っていたけど、ニューミュージックが流行ったあたりから、区別が曖昧になってきたのだとか。

ノートルダム清心女子大学の尾崎喜光教授によると、2009年の調査で鼻濁音が使えていたのは、全国平均で5人に1人くらいだったそうです。

【発音してみよう、SAY!「ンガ」】

それではさっそく、鼻濁音の発音練習をしてみましょう。私が放送部時代に習ったのは「ンガ・ンギ・ング・ンゲ・ンゴ」と、「ガ行」の前に小さく「ン」を入れて発音する方法です。こうやって発音すると、「ガ行」の音が柔らかくマイルドな響きになるのがわかるでしょうか。

【鼻濁音が使えると、ちょっとお上品なイメージに!】

鼻濁音を使えるとガ行の発音がマイルドになり、美しい日本語を話している印象になります。

「女子アナみたいに、キレイな日本語をしゃべりたい」「地方出身だけど都会の女を気取りたい」って方は、鼻濁音を練習してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、我が放送部の春の風物詩は「ガ行が汚い!!」と、顧問に怒られながら、新入部員が「ンガ、ンガ、ンガ……」と鼻濁音の練習をする光景でした。うまく発音できずに、泣き出す部員までいましたが、今考えると異常です。

そして、そんなに練習したにもかかわらず、上京した今も私は鼻濁音が身についていません……。

参照元:NHK ONLINEノートルダム清心女子大学
執筆=御花畑マリコ (c) Pouch