アメリカNYで彫刻家として活動している女性ヘイン・コウ(Hein Koh)さんがフェイスブックへ投稿した写真が、世界中から注目を集めています。

写真に写っていたのは、上半身裸のままPCに向かうコウさんと、両胸に吸いつく小さな小さな赤ちゃん2人。コウさんのコメントによると、2人の赤ちゃんは昨年出産した双子で、写真は生後5週間のときのものだそう。

【写真を投稿するに至ったきっかけは?】

「断続的に睡眠は中断されるし、授乳は2〜3時間おき、しかも1度に45分近くかかる。でも私は今も、座ったまま仕事をしています」(コウさんのフェイスブックより抜粋)

一体なぜ、コウさんはこのような写真を掲載したのでしょう。事の発端は、アーティスト仲間の女性マリーナ・アブラモビッチ(Marina Abramovic)さんの「子供がいるから多くの女性アーティストは男性よりも成功できない」といった、ネガティブともとれる発言だったのだそうです。

【「すべての人にあてはまるとはかぎらない」】

「マリーナの体験はマリーナ自身によるものだから、彼女にとっての真実なのでしょう」

コウさんはこう前置きしたうえで、「でも、それがすべての人にあてはまるとはかぎらない」とフェイスブックにコメント。むしろ自分は、子供という存在のおかげでアーティストとして成長することができた、とも。

【育児するなかで学んだこと】

育児を通して「効率的に時間を使う」「より重要なことを優先させる」「余計なことは放っておく、手放す」といったことを学んだというコウさん。

また少ない睡眠時間でもどうにか動けるようになったこと、混沌と狂気、時には拷問とさえ思えるあれこれから一時逃避することも覚えたのだそう。そして、育児を通じて起こる感情の波を、仕事に投影できるようになったんですって。

【育児は人生を前進させるもの】

「私は、子を持つアーティストがそうでないアーティストより優れていると言っているわけではないし、親になることを選ばないことが “学ぶ機会を得られない” ことにつながるとも言っていない」

「私が言いたいのは、育児は人生における挑戦である、ということ。私にとって育児はこれまででもっとも大きなチャレンジでした。もしもあなたが育児を受け入れてクリエイティブな解決方法を見つけられたら、より良い人間に生まれ変わることができるでしょう」

育児は、あなたの人生を後退させるのではなく、前進させるもの。既存の固定観念こそが私たち女性の進展を遅らせるのだ、と、コウさんは話しています。

【ようやく授かった待望の我が子だったけれど……】

ちなみに……海外サイト「Babble」がコウさんに行ったインタビューによれば、コウさん夫妻は子供ができにくい体質と診断され、そのことに納得するまで6年もの時間がかかったのだそうです。

どうすべきか、夫婦で考えた結果、2014年に体外受精を実行することを決意。

そうして授かったのが双子の赤ちゃんであり、妊娠がわかったときは「奇跡」「2倍の天の恵み」と喜んだ一方で、同時に仕事に対する情熱や仕事そのものを失ってしまったらどうしようという、怖れに似た感情も抱いたのだと、コウさんは話しています。

【怖れていたようなことはなかった!】

しかしいざ出産してみると、そんな心配は無用だったと実感したそう。

「出産以前よりも忙しさを感じなかったくらい」と話すコウさんですが、それは夫の協力と週に1度子供の面倒を見に来てくれる乳母の存在なしではなしえなかったということ、子育てには周囲のサポートは必須であるということを、繰り返し伝えていました。

【出産や育児に希望が持てます】

周囲のサポートの必要性に関してもしっかり発言しているところに、コウさんの誠実な人柄を感じます。

育児に悩むお母さん、さらには「今後出産を考えているけれどキャリアのことを思うと気持ちが暗くなってしまう」女性たちの多くがきっと、このたびのコウさんの発言から、勇気と希望をもらったことでしょう。

参照元:FacebookBabble
執筆=田端あんじ (c)Pouch