_j6a0178-01
2016年1月10日、この世を去ったスーパースターのデヴィッド・ボウイ。彼の公私にわたる全てを表現した大回顧展「DAVID BOWIE is」が、2017年、東京・品川区の寺田倉庫G1 ビル(天王洲)でボウイの誕生日である1月8日から開催されています。

2013年に英国の「ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館」でスタートしたこの大回顧展は、世界9都市を回り、およそ150万人ものボウイファンを動員。伝説のアーティストの歴史を肌で感じたい! と世界中のファンが集まりました。

そして、そのイベントのアジア唯一の開催地が日本、何と誇らしいことか! というわけで「DAVID BOWIE is」を見てきましたよ。その魅力を辿っていきましょう!

【ボウイの歴史を紐解く貴重な写真とエピソード】

入館したら、まず専用ヘッドフォンをお借りして装着しましょう。

展示会の内容に関連した音楽や、ボウイの言葉、また、彼の周囲の人々の話が耳に飛び込んできて、ボウイ・ワールドにトリップできるしくみになっています。
視覚でまず目に飛び込んでくるのが、山本寛斎デザインによるステージ衣装。ここでグっと心を奪われたまま、デヴィッド・ボウイのヒストリーがスタート!

%e5%b1%b1%e6%9c%ac%e5%af%9b%e6%96%8e%e8%a1%a3%e8%a3%b3

まずは彼の原点から。生まれた家、音楽と美術を専攻していた学生時代。クリエイティブな少年だったけど、あまり社交的ではなかったボウイのエピソードが、写真とともにつづられています。

実はデビュー当時、あまりパッとしなかったボウイ。そんな彼が、いかにして私たちの知る才能豊かで美しいアーティスト「デヴィッド・ボウイ」なったのか……個を磨き、時代を掴み、自身を進化し続けたボウイの軌跡をここでは、まざまざと知ることができます。「自分は何者になるべきか?」と悩んでいる人にとっては、いい刺激になるかも。

【衣裳、映画、絵画などボウイの美意識のすべて】

ステージ衣装については、常に時代を先取りしていたボウイ。自分の感性にフィットするデザイナーを選んでいました。山本寛斎、アレキサンダー・マックイーン、オペラ専門デザイナーのピーター・J・ホールとのコラボなど、数々の衣裳展示は本当に美しくて素敵です!
d-b-43

d-b-60
ものすごくド派手でアバンギャルドなものもありますが、スタイリッシュなスーツも多い。彼はどちらも似合うんですよねえ。

ステージ衣装だけでなく、宣伝用の衣裳など、いろんな用途で使用された衣裳が展示されており、いずれもボウイのアイデアが活かされているようです。

衣裳展示の数々と、デザイナーとの手紙や写真など、資料の豊富さを見るにつけ、本当に魅せることへのこだわりが強烈なアーティストだったんだなあというのがよくわかります。

また、映画界でも活躍していたボウイは、自身が監督しようとしていた「ダイヤモンドの犬」の作品絵コンテを残しています。ほかに、主演した『地球に落ちてきた男』や、魔王ジャレスを演じた『ラビリンス 魔王の迷宮』のポスター、そして映画『2001年宇宙の旅』など、彼の好きな映画のポスターも。

ボウイの世界を忠実に華やかに彩った演出は、その魅力を存分に伝えるパワフルなものとなっています。

そして後半には、彼自身が描いた絵画もあり、三島由紀夫を描いた絵画には目が釘付けに。彼の美意識がすべてのコーナーから立ち上がってくるようです。

【迫力の映像空間でボウイの世界に浸る】

展示会の後半のハイライトは「ショウ・モーメント」! ボウイのサウンドとヴィジョンが一体化して、来場者に刺激と興奮と感動をお届けするLIVEな空間です。
_j6a0178-02

ステージセットのように演出されており、衣裳展示とライブ映像が洪水のように押し寄せ、まるでボウイのライブ会場にいるみたい。キャー、キャー言いたくなっちゃいましたよ!

【『戦場のメリークリスマス』で共演した坂本龍一、北野武のインタビューも】

ボウイが日本の映画に出演、今でも名作と語り継がれる『戦場のメリークリスマス』(大島渚監督:1983年公開)。この映画でボウイと共演した坂本龍一と北野武が当時を振り返り、彼を語るインタビュー映像も見ることができます。このコーナーは日本オリジナルのスペシャルバージョンなので、しっかり見ておきましょう!

【オフィシャルショップとカフェで感動の余韻にひたって!】

大回顧展を見終ったあとは、オフィシャルショップへGO! くつろげるカフェとオリジナルグッズを購入できるショップがあります。

世界中の回顧展で人気のトートバッグやティーシャツ、ポストカード、マグ、ファイル、スイーツもあり、品ぞろえは豊富。ボウイの関連書籍もズラリ揃っています。買いすぎ注意報です!

カフェでは、コーヒーはじめ、お酒や軽食も。フィッシュ&チップス、ホットプレスサンド、コリアンダーキーマカレーほか、サラミなどのつまみから、マフィンなどスイーツもあります。

ボウイの所蔵品75000点の中から300点に厳選された今回の展示品。ステージ衣装や写真、直筆のスケッチや手書きの歌詞など、大変貴重な内容となっています。

遠い存在だったデヴィッド・ボウイに一気に近づける大回顧展「DAVID BOWIE is」。人生が変わる、気付きを得られる体験ができるかもしれませんよ。

今回訪問した展覧会

■ 「DAVID BOWIE is」
開催場所:寺田倉庫G1ビル(天王洲)/東京都品川区東品川2丁目6番10号
開催期間:2017年1月8日(日)~ 4月9日(日)
休館日:毎週月曜日(但し1月9日、3月20日、3月27日、4月3日は開館)
時間:火・水・木、土・日および祝日 =午前10時 〜午後8時(最終入場 午後7時)
金曜日= 午前10時 〜午後9時(最終入場 午後8時)
アクセス:東京モノレール『天王洲アイル駅』から徒歩約5分/東京臨海高速鉄道 りんかい線『天王洲アイル駅』から徒歩約4分
券種・料金(税込):一般 2,200円/当日券2,400円 中学生・高校生 1,000円/当日券1,200円 ※小学生以下は入場無料
公式サイトhttp://davidbowieis.jp/

※掲載している情報やデータはすべて取材時(2017年1月)のものです
※掲載している写真はすべて許可を得て撮影しています

取材・撮影・文=斎藤 香(c)Pouch
大回顧展『DAVID BOWIE is』会場内の展示写真:(c) Shintaro Yamanaka(Qsyum!)

▼贅沢な展示内容でした…
_j6a0178-3
_j6a0178-4
%e5%8f%b3%e7%ab%af%e3%81%af%e4%b8%89%e5%ae%85%e4%b8%80%e7%94%9f%e3%81%ae%e8%a1%a3%e8%a3%b3

▼こちらはボウイの若い頃。
%e3%83%9b%e3%82%99%e3%82%a6%e3%82%a4%e3%81%ae%e8%8b%a5%e3%81%84%e9%a0%83

▼アレキサンダー・マックイーンと共同でデザインしたコート(マックイーンが当時のボウイに送ったメッセージが背景にデザインされている)
%e3%83%a6%e3%83%8b%e3%82%aa%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%82%99%e3%83%a3%e3%83%83%e3%82%af%e8%a1%a3%e8%a3%b3%e3%81%af%e3%82%a2%e3%83%ac%e3%82%af%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%82%99%e3%83%bc%e3%83%bb%e3%83%9e

▼左の絵画は彼自身が描いた三島由紀夫
%e5%b7%a6%e3%81%8b%e3%82%99%e4%b8%89%e5%b3%b6%e7%94%b1%e7%b4%80%e5%a4%ab%e7%b5%b5%e7%94%bb

▼ “スターマン” ジギー・スターダストの資料や、彼の直筆の手紙やイラストも
d-b-41

d-b-44 %e7%b5%b5%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%83%86

d-b-48 %e6%a5%bd%e8%ad%9c

▼グッズコーナーも充実!
%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%95%e3%82%9a%ef%bc%93

%e3%82%ab%e3%83%95%e3%82%a7%e3%81%ab%e3%83%86%e3%82%99%e3%82%a3%e3%82%b9%e3%83%95%e3%82%9a%e3%83%ac%e3%82%a4%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%9f%e3%82%af%e3%82%99%e3%83%83%e3%82%b9%e3%82%99

▼余韻を浸りながらカフェでお酒やマフィンを楽しもう
%e3%82%ab%e3%83%95%e3%82%a7

▼伝説のアーティスト、デヴィッド・ボウイを目に焼き付けるのだ!
now%e6%a8%aa%e9%95%b7