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【公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかから、おススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

今回ピックアップするのは、独身女子必見!『エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方』(2017年3月4日公開)です。監督は『40歳の童貞男』のジャド・アパトー。非リア充コメディを描かせたら世界一な監督です。しかし、アパトー作品はギャハハと笑わせるだけでなく、しっかり琴線に触れて感動させるから凄い! 

そして今回、アパトー監督が描くのは、モテない中年オヤジではなく独身女子。脚本は主演のエイミー・シューマーが執筆しています。エイミーは全米で大人気のコメディ女優なんですよ~。では物語から。

【物語】

雑誌ライターのエイミー(エイミー・シューマー)と妹のキム(ブリー・ラーソン)は、離婚した父から「一夫一妻制は悪だ!」と教えられてきました。その影響をストレートに受けたエイミーは、大人になっても真剣恋愛をしたことがなく、ワンナイトラブな関係ばかり、それで満足していました。

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ある日、エイミーは、スポーツ外科医アーロン(ビル・ヘイダー)の密着取材を通して、彼に好意を抱くように。しかし、恋愛とマジメに向き合ったことがないため、とまどってしまうのです。

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【エイミーが男と遊びまわり本気ラブを避ける理由は?】

マンハッタンで雑誌ライターとして仕事を持ち、素敵なアパートに住み、毎晩飲み歩いて男をとっかえひっかえな生活を送っていたエイミー。映画の序盤はエイミーの遊びまくりの私生活が描かれます。彼女が付き合う男はマッチョな体で、頭も筋肉? みたいな男ばかりですが、エイミーは男に期待していないので、遊び相手としてはそういうタイプがちょうどいい。ワーっと飲んで騒いでエッチして「バイバイ!」という毎日です。

エイミーの恋愛の鉄則は「決して電話番号は教えない」「決してお泊りはしない」。彼との関係が深まったりするのがイヤだからです。

その原因は「一夫一妻制は悪だ!」という父の言葉なのですが、妹がまともな結婚生活を送っているのを見ると、エイミーは強烈なファザコンだったのではないかと。パパの言うことは絶対で、ひとりの人との永遠の愛なんてありえないと思い込んでいるのです。

【恋愛下手なカップルの恋に爆笑】

そんな愛を信じないエイミーが心惹かれたアーロンは、知的でやさしくて器の大きい男性。しかし、ずっと恋愛に縁がなく、女性とは6年前に5週間だけ付き合っただけというオクテ男性です。だから女性とのコミュニケーションの取り方がわからないのですね。

片やエイミーは男と遊ぶのは大得意だけど、真面目に付き合えない女。ゆえに最初は話がすれ違いギクシャクするんだけど、この会話のすれ違いとすべり具合に爆笑!

そして「なんだろう、この人」という気持ちから、お互いに理解を深めて「自分が変われる気がする!」と思ったりして。相手に対して新鮮な気持ちを抱くんです。これぞ恋の始まりじゃないですか!
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【豪華なカメオ出演を探すお楽しみもあり!】

エイミーを取り巻く様々な登場人物の中には「この人知ってる!」というスターが出演しています。妹を演じるのは『ルーム』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したブリー・ラーソン。

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エイミーの上司ダイアナを演じるのは、最近『ドクター・ストレンジ』にも出演していたアカデミー賞女優のティルダ・スウィントン。ほかにも、ダニエル・ラドクリフ、マリサ・トメイほか、有名スポーツ選手など実ににぎやか。日本では無名のエイミー・シューマーですが、全米では大人気コメディ女優なので、こういったスターが助演で登場したり、カメオ出演をしてくれたりするのでしょう。
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自分はリア充だと思っている女性のみなさんでも、実は心の中に物足りなさとか臆病さとか隠し持っていたり、新しい世界に飛び込むことに躊躇したりしている人がいるのでは?そんなあなたは、まさにエイミー! 今まで周りにいなかった人との交流が人生をガラリと変えてくれることもあります。

この映画を見れば「出会いが人生を変えることもある」と、ポジティブな気持ちがムクムク湧いてきますよ!

執筆=斎藤 香(c)Pouch

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『エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方』
(2017年3月4日より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー)
監督:ジャド・アパトー
脚本:エイミー・シューマー
出演:エイミー・シューマー、ビル・ヘイダー、ブリー・ラーソン、コリン・クイン、エズラ・ミラー、ティルダ・スウィントン、ダニエル・ラドクリフ、マリサ・トメイ、マシュー・ブロデリックほか
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