【最新シネマ批評】
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかから、おススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

今回ピックアップするのは、SFアクションコメディ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017年5月12日公開)。2014年の第一作目が超話題になった、マーベル作品の続編です。

同じヒーロー映画でも『アベンジャーズ』の面々に比べると、ヒーローとして完璧じゃないところがいい! 何しろ宇宙のはみ出し者たちですからね。

【物語】

たまたま出会い、意気投合して行動を共にするようになった “スター・ロード” こと、ピーター(クリス・プラット)と仲間たち “ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー” は、“黄金の惑星” 軍団との激しいバトルを繰り広げますが、大ピンチに! 

そのとき彼らを救ったのは、ピーターの父親だと名乗る男・エゴ(カート・ラッセル)と、触れると相手の感情がわかるマンティス(ポム・クレメンティエフ)。ピーターは父に影響されていきますが、仲間は疑心暗鬼。父が突然現れたのはナゼ? ピーターの出生の秘密とは?

【続編のテーマは父と息子の物語】

前作の宇宙バトルで堅い絆で結ばれたガーディアンズたちですが、今回、そこに割って入ってきたのがピーターの父エゴ。凄く豪快で自信家で明るい人ですが、なぜ父は消えたのか、その謎を解くのが今回のテーマです。

前作に登場した、ピーターの育ての親ヨンドゥ(マイケル・ルーカー)が、父親について言い放ったヒトコトを覚えている方はいるでしょうか? 意外とそこにピーターの父のヒントが隠されているのですよ。

【悲しいことも愛と笑いで吹き飛ばす】

ピーターと父だけでなく、前作に引き続きガモーラ(ゾーイ・サルダナ)と妹ネビュラ(カレン・ギラン)の確執もしっかり描かれ、これが意外にヘビィなエピソードになっています。ドラックス(デイヴ・バウティスタ)も家族を亡くしていますし……と、しんみりしそうになりますが、そんな悲劇も吹き飛ばすのが、ガーディアンズの笑いのセンス。

真面目な場面で「それ言う?」的な、大ピンチなのに「何やってんの?」みたいな、タイミングのいいおバカさは健在で最高です!

【Pouch代表としてガーディアンズに質問!】

2017年4月に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のプロモーションで、クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタと、ジェームズ・ガン監督が来日しました。

私も記者会見に出席し、Pouch記者として質問! アクションも笑いも徹底した作品なので「監督の俳優への演技のオーダーはどんなものがありましたか?無茶ぶりされたりしませんでしたか?」と聞いたところ

ガン監督「実は150人オーディションをして “死ぬまで戦え” と言って残った3人をキャスティングしました(笑)」
ゾーイ「私は20人ほどの女優を殺しました(笑)。メーキャップに4時間かかるので、その間にガモーラの気持ちを感じていました。忍耐力を試される場面はありましたね」
デイヴ「撮影中に監督の思い付きの演出はありました。でもやってみよう! というノリで、楽しかったですよ」
クリス「僕にとっては、この作品は夢のような仕事。だからどんな要求があっても全然辛くありませんでしたよ」

いきなりガン監督がかましてくれましたよ(笑)。全員、ガン監督への信頼は絶大で、特にクリスは、このシリーズが大出世作ゆえに、感謝しかないといった様子でした。

この映画の魅力のひとつでもある1970年代~80年代の音楽も健在で、懐かしソングにハマる昭和世代も巻き込んで、話題になること必至。5月12日公開、楽しみに待っててくださいね!

執筆=斎藤 香(c)Pouch

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
(2017年5月12日より、TOHOシネマズスカラ座ほか全国ロードショー)
監督:ジェームズ・ガン
出演:クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ、マイケル・ルーカー、シルベスター・スタローン、ポム・クレメンティエフ、カート・ラッセル
声の出演:ヴィン・ディーゼル、ブラッドリー・クーパー
(C) Marvel Studios 2017

▼記者会見の様子。左からジェームズ・ガン監督、クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ

▼『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』予告編