「夜のお菓子」といえば、静岡名物の「うなぎパイ」です。甘さの中にもほのかな塩気もあって、美味しい銘菓ですよね。黙って食べればいいものを、子供の頃、「夜のお菓子ってどういう意味?」と親に聞いて、困らせてしまった人もいるのではないでしょうか。

さて、そんな「うなぎパイ」を発売する春華堂から、2017年の春、満を持して「すっぽんパイ」が発売されたというではないですか。

なんと、キャッチフレーズは「朝のお菓子」。すっぽんといえば、スタミナ系食材の代表格。えー、「朝からハッスルハッスル! マッスルマッスル!」ってこと……!? というわけで、好奇心から「すっぽんパイ」を取り寄せてみました。

【すっぽんパイは春華堂の悲願であった】

春華堂のサイトを見てみると「すっぽんパイ」開発への並々ならぬ思いが記されています。なんでも、春華堂の二代目社長は、地元・浜松の名物である「うなぎ」と「すっぽん」のお菓子作りに尽力していたそうな。

うなぎを使った「うなぎパイ」が大ヒットする一方、すっぽんを使ったお菓子はいまひとつヒットに至らず……。しかし、顧客からは「再びすっぽんを使ったお菓子を」という声があり、試行錯誤を重ね、春華堂創業130年となる2017年に「すっぽんパイ」を発表したそう。

ちなみに、開発者は「うなぎパイ職人師範制度」の初代師範 野末三知夫さんと、若きパティシエ2名とのこと。なんだかよく分からないけど、とりあえずスゴそう。

【すっぽんパイやいかに】


さて、そんなこんなで編集部に届いた「すっぽんパイ」。価格は6袋入りで税込み1620円でした。

春華堂のオンラインショップによると、すっぽんパイの味は「黄金色のすっぽん出汁と旨味を引き立てる焼津の鰹節、駿河の桜エビ、隠し味にグリュイエールチーズでコクと奥行きをプラスして、うなぎパイ職人がエナジー込めて仕上げました」とのこと。

うなぎパイ職人がエナジー込めて……! なんというか、「魂」ではなく「エナジー」というところにこだわりを感じます。魂は細部に宿りますからね。

【ものすごく “効きそうな味” がする】

春華堂のサイトには「忙しい朝のエネルギーチャージにピッタリ」と、ウイダーインゼリーみたいなことが書いてありました。せっかくなので、疲れがほどよく溜まっている木曜の朝イチに編集部で食べてみることに

小袋を開けると、中に正方形の薄いパイが15枚くらい入っています。ひとくち食べると……最初に一瞬、甘い味がして、そのあとチーズの香りが広がります。食感はサクサクしていて、食べやすい感じ。お酒とかのつまみにもよさそうなしょっぱい系の味です。

そしてしばらくすると、海老とカツオだしの風味が一気に出てきて「魚介の圧」みたいなものを感じます。情けないことに、すっぽんを食べたことがないのでわかりませんが、これがすっぽんの風味……? なんていうか……効きそうな風味です。

編集部のスタッフからは

「思ってたより食べやすい」
「コーヒーとかお酒とか何にでも合いそうな味」
「甘くないから朝にいいかも」

といったコメントが。クセになる味わいで、一度食べ始めると、そのまま手を伸ばしてポリポリ食べてしまいます。うめえうめえ。

【すっぽんパワーの効果は……】

さて、気になるのはすっぽんパワーです。「すっぽんパイ」を食べてから、ちょうど6時間くらい経過したのですが、私と編集部のはちやまみどりは「こころなしかいつもより元気な気がする」と盛り上がっています。

しかし、男性陣に「スタミナ感じます?」と聞いてみたところ「えっ、特には……」と、言葉を濁されてしまいました。 ガーン。私とはちやまが思い込みが激しいだけで、男性陣の反応が正しいのかもしれません……。

いや、キット継続的に食べていると、すっぽんパワーの恩恵にあやかれるはず。とりあえず、新たな静岡名物として「すっぽんパイ」はアリだと思います!

甘いのが苦手な男性へのお土産にもよさそうなので、彼氏や旦那様のスタミナ不足が心配な方は「朝はすっぽんパイ」「夜はうなぎパイ」で、労ってみてはいかがでしょうか……。

参考リンク:春華堂
執筆=御花畑マリコ (c)Pouch