お酒好きのみなさんに、朗報がありま~す! 本日8月24日は「愛酒の日」。お酒を愛してやまなかった歌人・若山牧水(わかやまぼくすい)の誕生日が1885年のこの日であったことから、「愛酒の日」となったという経緯があるようです。

「人の世に たのしみ多し 然れども 酒なしにして なにのたのしみ」

など、若山牧水は酒にまつわる歌を多く発表しています。“のんべえ” 歌人が生まれた日なんだもの、やはり同じ酒飲みとしてはお酒を飲まずにはいられませんっ。まだ週末ではないけれど、記念日を言い訳にして、今日は美味しいお酒に舌鼓を打ってもいいのではないでしょうか♪

【自然と酒を愛した歌人、若山牧水】

そもそも「愛酒の日」が生まれるきっかけとなった若山牧水という歌人は、どんな人物なのでしょうか。

牧水は宮崎県東臼杵郡東郷村生まれ。早稲田大学在学中から作歌、執筆活動に入ります。若い頃は人妻との道ならぬ恋、友人である石川啄木の死、家業を継ぐよう故郷に連れ戻されるなど、苦悩多き日々を過ごしたようです。当時の代表作に青春の哀歓を歌った歌集『別離』があります。

その後は沼津の自然と風土に魅せられたことをきっかけに、一家をあげて移住。1928年に43歳の若さで亡くなるまで、歌集「山桜の歌」を発表するなど精力的に活動していたのだそうです。千本松原の保存運動を行うなど、お酒と同じくらいに自然をも愛した方だったようですよ。

【いくら酒好きとはいえ…1日1升は飲みすぎぃ~!】

それにしても気になるのは、43歳という若さで命を落としているということ。

菊の司酒造のホームページによると、1日1升の酒を飲んでいたといわれているらしく、主な死因となったのは肝硬変だったのだそうです。「真夏に亡くなったのに死体から腐臭がしなかったので、医師に “生きたままアルコール漬けになったのでは” と思われた」なーんていう逸話もあるんですって。

やはり、いつの世も「お酒はほどほどに」が鉄則なのかもしれませんね。お酒が美味しくいただけるのも、健康な体あってこそですし……!

【最後は「お酒の美味さを詠んだ句」をどうぞ☆】

それでは最後は、牧水さんがお酒について詠んだ歌で締めくくることにいたしましょう。

「白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒はしづかに 飲むべかりけり」

しみじみと、歯にしみいるほどの至極の一滴……。秋の夜に吹く気持ちいい風と相まって、さぞかし美味しいお酒だったであろうことが想像できる歌です。かつて牧水さんが過ごした至福の時を思い浮かべて、今夜は日本酒で一杯やることにしましょうかね☆

参照元:静岡県沼津市菊の司酒造若山牧水記念館青空文庫 「樹木とその葉 酒の讃と苦笑」若山牧水
画像:ぱくたそ
執筆=田端あんじ (c)Pouch