本日は、ちょっとマジメな韓国の時事問題のおはなし。

11月23日に起きた北朝鮮による砲撃事件は各方面に大きなショックを与えた。ふたりの民間人までもを巻き込んだ今回の事件は、韓国政府が最高非常警戒を発令するなど、近年まれに見る事態に発展した。私も周りから実家の心配をされるなどしたので、日本にも多少なり緊張感が走った様子だ。

韓国旅行をキャンセルする日本人旅行客も増えたとか。しかし実状は思っているのと少し違ったようだ。忙しかったのは韓国政府で、ほか多くの一般人は特に外出を控えたりすることもなく、普段となにも変わらない日常を過ごしていたというのはあまり知られていない。

先日の砲撃事件はその規模がかなり大きかったので日本のマスコミでも大々的に取り上げられたが、韓国と北朝鮮の衝突事件は実は何十年も前から数えきれないほど起きている。韓国の人々はもはや麻痺気味になってしまっていて、「また北朝鮮か」くらいで終了することも多い。最近では細かい事件となると韓国のマスコミが北朝鮮ネタで視聴率を取ることすらままならないほどだ。

世の中の多くの人が国家間の武力衝突に反応する一番の理由は、やはり戦争に対する危機感だ。そんな危機感も繰り返し感じることで徐々に慣れてくる。韓国は戦争に対する危機感に慣れているのだ。

ここでひとつ誤解してはならないのが「慣れ」の意味。戦争の危機感に慣れているということは、危険を感じなくなったのではなく、万が一危険が起きたときにどう行動すればいいかを分かっているかどうかであると私は思う。常に高い危険意識を持つことで過敏な反応やパニックを起こさずに済むわけだ。今回に関しては事件の舞台となった延坪島の島民の迅速な自主避難が高く評価されている。実際、島民からの犠牲者はひとりも出ていないのだ。

韓国の北朝鮮に対する危険意識の高さは軍隊の存在も大きいと思われる。既に知っている人も多いと思うが、韓国には徴兵制度があり、19歳以上のすべての韓国籍の男性は約2年の兵役が義務となっている。

しかし韓国の軍隊は他国の軍隊とは根本的に考え方が異なるので少し注意が必要だ。例えば米軍が米国の平和を脅かす勢力と戦うために軍隊を育成しているなら、韓国はあくまで北朝鮮に対抗するために軍隊を組織している。北朝鮮との戦争で勝てるかどうかが最重要問題なのだ。極端な話、北朝鮮以外の国と戦争をすることははなから想定していない。

今回の北朝鮮の砲撃事件を受けて感じた日本と韓国の温度差。それに気づいた私は、もしかしたら少しだけ平和ボケしていたのかもしれない。やはり日本はいい意味で平和な国だ。

※毎週木曜は「ナナメ目線! ジャパコリアン」の日。

photo by flickr d’n’c