12歳だった新聞配達員の少年が抱いた思いがとんでもないことに……? アメリカの心温まるホリデーシーズンのお話をご紹介します。

彼の名はモレロ・ウォーチェスター、メイン州にあるクリスマスリース会社の社長となり社会的にも成功を収めてきました。そんな彼も12歳のときは新聞配達員をしていました。そのとき、働いていた新聞社の賞与で旅行の機会がありました。人にとって、いくら時が経過しても忘れられない場所や思い出があると思います。この少年も同様でした。

旅行先のアーリントン墓地はケネディー大統領や戦争で亡くなった多くの英雄が眠る国立墓地です。12歳の少年にとってこの場所はきっと、一生心にとどめる何かを与えたと思われます。

さて時は過ぎ去り1992年のホリデーシーズンの終わり頃、モレロ氏は会社のリースが過剰に残っていることに気がつきました。この残ったリースを何か有効利用できないかと考えていたところ、12歳のときに行ったアーリントン墓地の思い出が甦りました。

彼は今の自分の成功はアメリカのために戦って亡くなった多くの兵士たちのお陰、だからこそ今の自分があるのだと、少年時代の気持ちが甦りました。その時の思いを実現するために動き出すのが今だと、さっそく行動に移します。

最初の年は5000個のクリスマスリースを寄付し、アーリントン墓地の古いセクションのお墓へ感謝を込めて1個ずつ捧げていきました。それは彼の会社の仲間など10名の協力者の手によって置かれていきました。そして12歳だった少年の思いは年月と共にアメリカの人々の心へと深く浸透していきます。

1992年
 モレロ・ウォーチェスター氏と10名ほどのボランティアによってアーリントン・リース・プロジェクトが始まる。
(毎年、リースを墓地へ献花、年月と共にリースの数も増えていく。)

2005年
 インターネットからこの活動が話題になり各州にある国立墓地や州立墓地にもこのリースを捧げてほしいというリクエストが各州より相次ぐ。

2006年 
アーリントン・リース・プロジェクトから全米の国立墓地へリースを捧げるリース・アクロス・アメリカが発足。
150カ所にリースを捧げる。

2007年 
リース・アクロス・アメリカが非営利組織として樹立

2008年 
全米300以上の墓地とプエルトリコと24カ国の墓地へもリースを献花。この時すでに10万個以上のリースが捧げられる。またボランティアも6万人以上が参加。米国議会の審議で満場一致で12月13日は、「リース・アクロス・アメリカ・デイ」と制定。

以降、アーリントン墓地をはじめ各州の墓地で12月の第2土曜日にリースを一斉に献花されます。クリスマスシーズンが来るとこのような人々の思いやりや感謝の気持ちに触れることができるイベントとして、アメリカで認識されつつあります。そう、リースの輪のように……。
(記者/Shizuiki)

■参考リンク
wreathsacrossamerica英文