奥秩父に源を発する荒川から分岐し、浅草など東京の下町を流れ、東京湾に注ぐ隅田川。

学校唱歌にも歌われ、8月27日開催予定の「隅田川花火大会」は、享保18年(1733年)に執り行われた神事に由来する伝統あるイベントです。

近年は、自立式の鉄塔としても電波塔としても世界最高の全高634メートルに到達した東京スカイツリーを臨む風景としてもおなじみになりました。

ところで、その隅田川に、河童(かっぱ)がいたという伝承をご存じでしょうか?

伝承が残っているのは、隅田川を挟んで東京スカイツリーの対岸となる台東区側。雷門で有名な浅草寺から上野公園へ向かう途中に「かっぱ橋本通り」があります。

現在は、舗装された道路の両側に商店街が並ぶこの通りは、かつては、たびたび洪水が起こる低地で、昭和8年(1933年)まで、「合羽橋(かっぱばし)」という橋がありました。

合羽橋の創架年代は不明ですが、文化年間(1804年-17年)に、合羽屋喜八(合羽川太郎)という人物が私財を投じ、排水のための堀割工事にとりかかったのだそうです。

その際、かつて合羽屋喜八が助けた隅田川の河童が工事を手伝ったと言われています。また、かっぱ橋本通りには、河童大明神がまつられている曹源寺(通称・かっぱ寺)もあります。

河童の伝承は各地に残されており、河童が目撃されたという情報を度々耳にします。隅田川の河童も、今なお生きていて、夜に、こっそりと東京スカイツリーの建造を手伝ってくれている……なぁんて、おとぎばなしのようなことがあるとしたら、かなりロマンチックなんですけどね。

(ライター=竹内みちまろ

画像:flickr=jetalone