皆さん本はお好きですか? 電子書籍業界もいよいよ本格的に事業展開がされている昨今。本の値段ってじわじわ上がっていますよね。販売部数が減れば当然の成り行きなんですが、本好きの一般庶民としてはやっぱりキツい。

でも、そんな庶民の金銭感覚からは思いもよらない値段で、ある種の本たちは取引されているのです。その値段たるや……ケタが違いすぎてもう訳分かりません。

ということで、史上最も高額で取引された10冊の書物をご紹介!

第10位 モーツアルトによる9つの交響曲手稿

言わずと知れたオーストリアの天才作曲家、モーツアルト(1756-1791)自身による手書きの楽譜です。サイン入り。こりゃ聞いただけで高そうだー。

1990年に、約3億2千万円で売却。これがまだ序の口ですよ。

第9位 プトレマイオスの『ゲオグラフィア』

クラウディオス・プトレマイオス(83頃-168頃)は古代ローマの天文学者、数学者、地理学者、占星術師。この『ゲオグラフィア』は、世界初の経緯線を使った世界地図を収録していることで有名。いわば現在の経度緯度を用いた世界地図の原型となったもの。ただし地球の一周の長さが実際の7割程、地球上の陸地の締める割合が海より多い、という間違いを含んでいて、これがコロンブスのアメリカ大陸「発見」に繋がったと言われています。

2006年に、約3億3千万円で売却。

第8位 モンソー『果樹概論』

アンリ・ルイ・デュアメル・デュ・モンソー(1700-1782)は18世紀フランスの著名な植物学者。いわゆるボタニカル・アートが発展した時期の美しい絵入り「植物誌」で、植物関係では史上最も高い本として有名なのだそう!

2006年に、約3億5万円で売却。

第7位 『グーテンベルク聖書』

歴史の授業で習いましたよね、そう、活版印刷術を発明したあのヨハネス・グーテンベルク(1398頃-1468)です。1455年に彼が印刷した旧約・新約聖書は180部あると考えられています。そのうち現存しているのは、不完全な物も含めて世界に48部。そのうちの一部という訳です。

1987年に、約4億2千万円で日本の丸善が購入! 現在は慶応義塾大学が保管しているそうです。

第6位 『ノーサンバーランド動物寓意集』

12-13世紀頃のイングランドとフランスを中心に流行した動物寓意譚は、空想上のものも含めた様々な動物の特徴や習性と、キリスト教的教訓を絡めた風刺や寓話。色鮮やかな図版を含む物が多く、この本は特に絵の多いものだそう。日本の『鳥獣戯画』みたいなものでしょうか? なんか、ポップです。

1990年のオークションで、個人コレクターが約4億6千万円で落札。

第5位 シェークスピア『ファースト・フォリオ』

正式名は『ウィリアム・シェークスピアの喜劇、史劇、悲劇』。シェイクスピアの死から7年後の1623年に発売された初の作品集で、当時の価格は約1万2千円。今よりちょっと安い感じですかね。が、およそ400年後の2001年のオークションでは、約4億7千万円で落札!

第4位 チョーサー『カンタベリー物語』

14世紀イングランドの詩人ジェフリー・チョーサー(1343-1400)による物語集の初版本。これも歴史や文学の授業に出てきますね。その初版本ってのはやはり凄そうです。

1998年に約5億7千万円で取引。

第3位 オーデュボン『アメリカの鳥類』

ジョン・ジェイムス・オーデュポン(1785-1851)は、アメリカの画家、鳥類研究家。個人的にとっても興味津々だったのがこれ。北米大陸に生息する鳥類の実物大の図版が435点も収録されているそうです。本のサイズは99cm×66cm! なんせ実物大ですから。凄いボリュームに圧倒されそうです。

2000年のサザビーズ(ロンドン)オークションで約6億9千万円で落札。

第2位 ハインリヒ獅子公の福音書

12世紀のザクセン公、ハインリヒ3世が、修道士へルマンに作らせた福音書。1188年頃の作だと言われています。その中身は、266ページに渡る新約聖書の4つの福音書と、フルサイズ版イラストが50ページ。ロマネスク美術の最高傑作の一つと謳われています。

1983年のサザビーズ(ロンドン)オークションでドイツの国営機関が約10億円で落札。

第1位 レオナルド・ダ・ヴィンチ『レスター手稿』

『レオナルド・ダ・ヴィンチ手稿』は、彼が約40年間に渡って書き綴ったノートのこと。現存するのは約5,000ページ。それでも約3分の2が失われている、というから実に膨大! 科学、天文学、医学、美術、文学を始めあらゆる分野に関する記述が、写真の通りビッシリ。数多くの美しい図解や挿絵を含み、文字はほぼ全てを鏡文字(左右が逆になっていて、鏡に映すと普通に読める)で記されています。『レスター手稿』はそのうちの72ページで、主に水理学に関する部分。

いくつかに分けられた手稿は、ヨーロッパの美術館や図書館が所蔵していますが、世界の富豪が所有しているものが一部あります。これもそのひとつで、購入者はあのビル・ゲイツ氏。1994年のオークションで落札価格は約24億円。ダントツ!

日本でも、1995年に東京都庭園美術館で人体解剖に関する『ウィンザー手稿』が公開されたことがありますね。私も観に行きましたよー。近くにいた医学生らしき男の子が彼女に解説するのが聞こえてきて、「この解剖図は脊椎の数が正しくないね」なんて冷や水を浴びせられましたけど。とにかく美しかったです!

ということで、いかがでしたか? 値段が価値を決めるわけではないでしょうけど、そのどれもが人類の宝のように思えてきます。考えてみれば、紙に書かれたり印刷された現物だからこそ、これだけの価値が生まれるのかも知れません。書籍のデータ化が進むと、この先どうなるんでしょう……?

(文=黒澤くの)
参照元:thelisticles.com(http://goo.gl/N8FaW