a0011_000009_m
お酒を飲む機会が増えるこの時期。楽しく飲むのは良いんだけど、翌日辛いのが困り者ではありませんか? 特にワインは頭痛が出やすい! そんな話をしていたら、「ビオワイン(オーガニックワイン)は頭が痛くなったり、二日酔いになったりしにくいらしいよ!」という噂をゲット。

頭痛がないなら、年末年始にお酒をたくさん飲むときにもふさわしいね! そこで、どうしてビオワインが悪酔いしないのかを調べて、ソムリエにオススメのビオワインを伺いました。

教えてくださったのは、以前に、「手みやげに喜ばれるシャンパン&スパークリングワインはどれ? 『うち飲み』に最適な3種類をそれぞれソムリエに教えてもらったよ!!」という記事でもご協力いただいたシュロスサチ代表のオースタン紗知子さん。元日本航空のファーストクラス客室乗務員で、現在は「元空飛ぶソムリエによるワインでのおもてなし」としてワインイベント・セミナーの企画運営やワイン会を主宰しています。
hp3

【ビオワインとは?】

もう何年も前にブームになっていたので知っている人も多いかもしれないけれど、ちょっと復習。ビオワインには「ビオロジック」と「ビオディナミ」という2種類が存在します。

ビオロジックは有機農法(オーガニック)ワインの意味。ぶどうの生産に化学肥料や農薬(除草剤や殺菌剤、殺虫剤、防カビ剤)を使用せず、EUで認証された有機肥料だけを使用し、遺伝子組み換えの使用や放射線処理は禁止するという方法を植え付け前最低2年間、最初の収穫前3年間以上実施していることが条件。

ビオディナミのほうはビオロジックからさらに踏み込んで、月や星座の運行までも考慮に入れ、気圧、引力、潮力などの関係をみながら農作業をする方法。

いずれにしても、ぶどうの生産方法にこだわりがあるということ。ワインを作る際、収穫したぶどうは洗わずに使うので、残留農薬が少なく安全なぶどうを使うことが歓迎される傾向にあります。土地も痛めないしね。ここ数年は、特にビオロジック農業を選ぶ農家が増えているんですって。

ぶどうの生産方法だけではなく、ワインの醸造方法でも不必要に酸化防止剤を使いすぎないなど、なるべく自然な方法で作っている「ヴァン・ナチュール(自然派ワイン)」と呼ばれるワインもあります。

【ビオワインだと悪酔いしにくいわけ】

では、なぜビオワインだと悪酔いしないのでしょうか。実はまだ、完全には科学的に説明がつききってはいないのが現状のようですが、一説には通常のワインに含まれる成分「亜硫酸塩」や「アミン」が少ないから、と言われています。「亜硫酸塩」や「アミン」はアレルギー源となって頭痛を引き起こす可能性があるそうなのです。

【ビオワインで味わう素材のおいしさ】

一般的な有機栽培と同様、ビオワインのぶどうは土作りから収穫まで手間ひまかけて作られています。また、ヴァン・ナチュール(自然派ワイン)は醸造過程で手がかかっています。

昆布や鰹節で丁寧に出汁をとり、手づくりのお味噌で作ったお味噌汁がおいしいように、素材の味が生きているのがビオワインやヴァン・ナチュールなのです。

【ビオワインだからって、何でもいいわけではない】

でも、「ビオワインだから、ヴァン・ナチュール(自然派ワイン)だから何でもOK」だと考えるのは、ちょっと気が早いってもの。実は、自然派を謳うワインには、自然にこだわるあまり、一般的なワインではきちんと考えられている腐敗や酸化の問題を考慮できておらず、臭いが出てしまっていたり、ワインのおいしさを引き出しきれていなかったりする場合もあるのです。

【なんだかんだで、おいしいワインが一番です】

つまり、ビオワインでもおいしくて、自分に合うワインを飲むのが一番ってこと。そりゃ、そうだね。悪酔いしなかったとしても、まずいワインなんて飲みたくないもの。ということで、オースタンさんに、3000円以内で買えるオススメのビオワインを3本教えてもらいました。

1. ヴィットマン・リースリング・QbA(ビオワイン・白)
1
1-1
ドイツで最高レベルのビオワインを作りだしている生産者。化学肥料、農薬不使用のビオディナミです。ドイツが誇る高貴なぶどう「リースリング」を使った、爽やかで品格のあり洗練されたスタイルの辛口白ワイン。スタイリッシュなエチケット(ラベルのこと)もすてきです。オースタンさんは今年の5月ワイナリーを訪問して、モダンでとても清潔感のある空間だったのが印象的だったそう。リースリングのワインは和食と非常に相性が良いので、おせち料理やお鍋と合わせていかがでしょうか。

2. ミネルヴォワ(ビオワイン・赤)
2
2-1
化学肥料、農薬不使用のビオディナミです。フランス政府は、食品に関してAB認証(Agriculture Biologique)というものを設けています。これは、栽培から商品加工にいたる全ての工程で厳しい基準でチェックし、添加物などを一切含まない食品にのみ与えられるものですが、こちらのワインは、そのAB認証をとったぶどうを使用。タンニン(渋味)が溶け込み、濃厚ながらなめらかな味わいの赤ワイン。南仏で主に使われるぶどう品種、「グルナッシュ」の完熟プラムのような果実味と、「シラー」のスパイシーさのバランスが絶妙なワインです。ワイン雑誌『リアルワインガイド』で、ラングドック・ルーション地区の「安旨大賞」受賞しています。

3. モルゴン・サンスフル(自然派ワイン・赤)
3
3-1
自然派ワインの第一人者マルセル・ラピエールが造る、ブルゴーニュ地方ボージョレ地区を代表する「ガメイ」というぶどうの品種を使った赤ワインです。化学肥料、除草剤、殺虫剤不使用、亜硫酸無添加という徹底ぶり。「サンスフル」とはフランス語で「亜硫酸無添加」の意味です。軽やかで渋みがほとんどなく、苺やラズベリーの風味が広がるチャーミングな味わい。ぶどうのピュアな旨味が体に優しく沁み渡ります。クリスマスチキンに合わせてどうぞ!

いかがでしょうか。できれば悪酔いせず、おいしく楽しく飲みたいもの。とはいえ、ビオワインだって、ぐでんぐでんに飲んでも大丈夫ってわけではないので、お気をつけて! 

取材協力=株式会社シュロスサチ 代表取締役オースタン紗知子
(文、取材=FelixSayaka