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現在、日本を震撼させている「デング熱」。新宿御苑が閉鎖されたり、神宮外苑で蚊の駆除が行なわれたりと対策が取られています。会社によっては感染者が出たとされる場所に近づかないように、という指示を出しているところもある様子。そんな状況で、何か対策をとりたいものですが、個人で何かしようにも、網戸や虫除けスプレー、蚊取り線香等しか考えつかない!

でも、世界には毎年デング熱が発生している地域もあります。いわば、それらの国々は「デング熱先進国」! それらの国々がやっている対策を日本でも取り入れればいいんじゃない? きっと、斬新な対策があるはず!

国立感染症研究所の感染症情報センターがWHO(世界保健機関)、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の情報をまとめて作った資料によると、東南アジアの東南アジアや中南米、アフリカ、中国や台湾の一部では毎年デング熱が発生しているそう。

ということで、マレーシア人ふたり、フィリピン人、フィリピン在住の日本人、台湾人に話を聞いてみました。特にマレーシアは、今年デング熱が大流行しているとのこと。彼らはどんな対策をしているのでしょうか

【中華系マレーシア人Kさん】

「とにかくそのへんに水を貯めっぱなしにしないことね。」

開口一番、ボウフラ対策! 「元を絶つ」ってことね。でも殺虫剤とかは使ったりしないんでしょうか?

もちろん殺虫剤も使うわよ。ベッドにスプレーするの。日本とは違って肌に吹き付けるタイプは一般的ではないわね。それから網戸もマレーシアのマンションタイプの建物では付いていないことがほとんどよ。もし網戸がほしいなら自分でネットを買ってきて取り付けることもできるけれど、私たちは普段からエアコンを使っているから、そもそも網戸は必要ないのよ。

日本では公園を封鎖したり、大規模な消毒作業をしてるみたいだけど、それはちょっとクレイジーだって感じるわ。そんなに大騒ぎする必要はないと思う。普段から蚊を発生させないようにして、ベッドに防虫剤をスプレーし、窓を開けないで家に蚊を入れないという基本的なことに気を付けていれば、ちゃんと対処できるんだから」

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日本での一連の対策について、彼女は過剰反応と感じた様子。彼女が繰り返していたのはとにかく、水を一カ所にとどめておかないこと! あまりに根本的すぎて衝撃を受けますが、もしかしたらそれが一番の対策なのかも。ベッドにスプレーする虫除けスプレーというのは日本にはない対策ですね。体に悪くないのかしら。

彼女はややリッチな人なので「普段からエアコンを使っていて網戸は必要ない」等の発言が飛び出しましたが、もちろんすべてのマレーシア人がそうというわけではないはず。ということで、もうひとりマレーシア人に聞いてみました。

【マレー系マレーシア人Eさん】

「とにかく水を貯めておかないこと。それからデング熱のシーズンには燻蒸消毒もするわよ。燻蒸消毒専用の車があるの。

誰かが病院でデング熱の陽性の結果が出たら、病院から自治体に連絡が行って、その人の家の近所一帯をこの車が燻蒸消毒するのよ。もちろん体に良くないから、その時間は外に出かけるけどね。今回の日本の対策とちょっと似てるわね。

蚊取り線香も使うよ。でも肌にスプレーするタイプの虫除けスプレーは一般的じゃないわね。公園とかよっぽど草が多いようなところ、たとえば、ジャングルに出かけたりするときに使うくらいかな。ベッドなどには殺虫剤を使うけどね。

とにかく一番大切なのは、水を貯めておかないこと。ベランダとかプランターをきれいに掃除することよ!」

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彼女からも「とにかく水を貯めておかないことよ」という言葉が。Kさんとまったく同じ答えが返ってきました! 「それしかないんか~い!」と突っ込みたくなりましたが、デング熱対策としては「蚊を発生させないために水を貯めておかないこと」というのがマレーシアでの常識なのでしょう。

そしてかかってしまった後には近所一帯を燻蒸消毒という、大規模かつ戦後日本のシラミ対策を彷彿とさせる風景が繰り広げられている模様。それなのに、なぜか日本では超一般的な、肌に吹き付けるタイプの虫除けや、網戸はまったく浸透していないようです。網戸、つければいいのにね。

【フィリピン人Jさん】

ところかわってフィリピンではどうなのでしょうか。フィリピン人のJさんにも聞いてみました。

「フィリピンでは6カ月も雨期があるし、デング熱はまったく珍しくない病気だよ。ただ、まだワクチンがない病気でもあるから、フィリピンでは伝統的な方法で対処しているよ。

そのやり方は、
1.雨水が集まるような容器にはふたをするか、水をその都度捨てる
2.ペットの飲み水や花瓶の水は、最低でも1週間に1回は変える
3.窓やドアを開けっ放しすることはNG。蚊を家に入れない
4.排水溝に葉っぱなどが堆積して水がたまらないように掃除する
5.肌が露出している部分には虫除けスプレーをする
ってこと。

雨期にはみんなが一致団結してデング熱が大流行しないように頑張るんだよ。ただ、デング熱になってしまっても、フィリピンでは医者に行って正しい処置をしてもらって、栄養をきちんと取れば、デング熱はすぐに治っちゃうんだ。そんなに心配する必要はないよ」

とのこと。

マレーシアと同じく「一番大切なのは蚊を発生させないということだ」と考えている様子。政府などのお役所頼みではなく、一人一人が自覚を持って対策するっていうのがステキですね。フィリピンでは肌に使う虫除けスプレーも使うようです。

【フィリピン在住日本人Fさん】

本当にもっと目新しい対策はないのかしら。そう思ってフィリピン在住の日本人Fさんにも周りの人に聞いてもらいました。

「デング熱はだいたい7月くらいに流行するから、9月の今はあまり気にかけていないみたいです。それからデング熱に関しては、赤ちゃんは気をつけなければならないけれど、大人がかかっても大したことはないという認識でいる様子。もしデング熱になっても、「水をたくさん飲めば大丈夫!」と現地の人は言っています。本当かどうかはわかりませんが……。蚊の対策グッズは虫除けスプレーくらいしかなく、特別なものはないようです」

やはり特に目新しい対策はないようです。残念!

【台湾人Jさん】

日本に近い台湾での対策はどんな感じなのでしょうか。台湾人のJさんにも聞いてみました。すると

「台湾にはデング熱はありません」

というお答え。いやいや、厚生労働省検疫所の情報によると台湾では昨年、180人のデング熱患者が発症したらしいのだけれど……。どうやら、あまり騒ぎになっていないのか、デング熱発症のことは知られていない様子。そして蚊の対策としては蚊取り線香ややスプレーのほかに、電流の通った蚊取りラケットや蚊帳を使う人が多いんですって。蚊取りラケットはすごい。そして蚊帳! そういえば日本でも昔はよく使われていましたよね。

ということで聞き込み結果は以上!

デング熱が発生しているのに網戸すらないなんて、東南アジアの皆さん、ちょっと泰然自若過ぎ! 網戸くらいは使おうよ。でも、公園での蚊の駆除など政府や自治体などがやってくれることだけに頼ることなくみんなで一致団結して蚊を増やさないようにする姿勢は見習わなければ、ですね! 住宅や道路の状況が日本と違うため、蚊が発生しやすいということもあるのかもしれませんが。

【結論:落ち着いた対策を心がけるべし】

調査を通じて見えてきたのは、彼らが「デング熱にはなるべくかからないようにはするけけれど、治る病気だから、かかってしまってもきちんと治療すれば問題ない」と考えているということ。大騒ぎしすぎず、蚊が発生しないように各自が心がけ、自衛し、かかってしまったらきちんと治療する。そういった落ち着いた対策が大切なのかもしれないですね。

取材・執筆=山川ほたる (c) Pouch

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