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監督、脚本、そして主演、すべてを手がける “美しき天才” カナダ出身のグザヴィエ・ドランさん。現在26歳で、その才能は世界的に注目されており、気鋭の若手映画クリエイターとして人気を集めています。

その彼が脚本に惚れ込み、自ら主演を希望したという新作映画「エレファント・ソング」が、現在東京・渋谷アップリンク(UPLINK)他で上映されています。

この上映にちなみ、渋谷アップリンクでは、グザヴィエ・ドラン作品の特集上映「DOLAN ANYWAYS」を開催中。19歳でカンヌ映画祭で三冠を果たしたデビュー作「マイ・マザー」ほか、3作品を毎日観賞することができるみたいなの!

【グザヴィエ・ドラン4作品を一挙上映】

今回の特集上映では、1日3〜4作品を順番に観ていくことができます。さらに新作映画も合わせれば、この特集だけで話題となった作品のほとんどに触れることができ、彼の表現する世界観をうかがい知ることができます。

【19歳で発表した半自伝的物語「マイマザー」など、話題作ぞろい】

まずは彼の名を世に知らしめ、「現代のアンファン・テリブル(恐るべき子供たち)」と称された半自伝的物語、「マイ・マザー」。

【多くの人を惹きつける才能、容姿も魅力です】

「17歳、母を殺した」この鮮烈なキャッチコピーとともに公開された同作は、母との関係に悩んで苦しんで、衝突しながらも成長してゆく少年の姿をとらえた1作。

監督・脚本・主演を彼ひとりだけで手掛けた作品という点ではもちろん、その美しく儚く、どこか退廃的な容姿においてもまた、注目の的となりました。

【ラブストーリーからサイコサスペンスまで】

そして「マイ・マザー」から1年後に発表されたのが、デビュー作同様、監督・脚本を手がけ、自身が主演した同じ男性を好きになってしまった男女の奇妙な三角関係を描いた「胸騒ぎの恋人」。

さらに、2013年に公開された、息の詰まるようなサイコサスペンス「トム・アット・ザ・ファーム」では、暴力と愛が織りなす物語を描き、第70回ベネチア国際映画祭において国際批評家連盟賞を受賞しました。この作品では、監督・脚本だけでなく、物語で重要なポイントとなる衣装もドラン自身が担当しています。

【才能が豊かすぎる……】

彼が制作に関わった作品では、撮影の技法や物語のジャンルが多岐にわたっていますが、テーマは一環して「愛にまつわる人間の関係性」を描いており、繊細で色彩豊かな映像からのアプローチと物語性の提示に優れた、才能あふれる人物であるということがどの作品からも伝わってきます。

【彼に注目するなら必見の「わたしはロランス」】

記者(私)もイチオシ、ドラン作品で絶対観ておくべき代表作ともいえるのは、2012年公開の「わたしはロランス」。

【監督に徹し、ゲイである自身の視点を映し出す代表作】

出演はせず、監督に徹した同作品では「女になりたい男」と彼と生きることを決意する女の、10年間を描いたラブストーリー。

自身がゲイであることをカミングアウトしている、彼ならではの視点を感じさせるストーリーは、カンヌ国際映画祭において「ある視点」部門正式出品作品・最優秀女優賞「クイアーパルム賞」を受賞しています。

これら興味深い4作品を、映画館で一挙に観賞できる機会は今だけ。公式サイトには7月3日(金)までの上映スケジュールが公開されているので、気になった方はぜひとも、チェックしてみて。

参照元:UPLINK
執筆=田端あんじ (c)Pouch