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いま、時はまさに梅雨シーズン。せっかくの土日も、雨降りだとお出かけしたところでべとつくし、なにより風景もぱっとしない。残念……

でもね。雨の日でも、いや、雨の日だからこそ、出かけてほしいスポットがあるのです。それは、「伊勢神宮」! 古代からこの日本の人々を守り続けてきた、神社の総本山です。

記者(私)は以前、紅葉の季節に雨の伊勢神宮に行ったことがあります。そのときの霧にけぶった参道が、なんとも幻想的で素敵な雰囲気だったんですよ。あの光景が忘れられず、ぜひまた雨の日に訪れたいと願っていました。

そして迎えた、梅雨どき。さあ、濃い緑がしっとりと濡れる伊勢神宮に行こうではありませんか!

■ …って、まさかの大誤算!

当日の天気予報は、予定通り雨――のはずだったのに、あいにくの快晴! ――なんてこった、参ったな。でも、既にドライバーを手配してしまったので、コンセプトを「初夏の伊勢神宮」に変更してお伊勢参りすることにいたしました。あぁ、雨の伊勢神宮に行きたかったのに……。でも、晴れていたら晴れていたで、またラッキーなこともあったんですよ。

■ まずは外宮でご機嫌に

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お伊勢参りは、まず外宮、続いて内宮の順番でお参りするのがセオリー。まず外宮へとまいりますと、参道手前の『勾玉池』で花しょうぶが満開でした! 約2000株もの花しょうぶは、例年5月下旬から6月上旬が見頃。今はもう終わっていますが、池のほとりには休憩所があって、涼しげな水辺の風を全身に感じられますよ。

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邪魔するものがなにもない青空と、凛々しく天を指すしょうぶの姿。「晴れの日もいいなぁ」と、すっかりご機嫌になりました。

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梅雨時期は人出がとっても少ないんです。砂利をざくざく踏む足元の音が緑に吸い込まれていくのが心地よくて、思わずヒソヒソ声になってしまうほど。巨木の木陰はひんやり涼しく、体感温度が2~3度低く感じます。

■ 続いて内宮で心静かに

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内宮は、外宮からバス・車で20分ほどのところにあります。参道にかけられた橋を渡ってしばらく歩くと、五十鈴川のほとりに下りられます。さらさらと流れる水と、時折吹く風にざあっと揺られる木の葉ずれ。人工の音はなにひとつありません。昔の人も、この音に耳を傾けていたのかな。

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そして、天気予報が雨だったせいもあってか、本当に人が少なかったです。たまに、ツアーの団体さんの姿がみえることもありましたが、しいんと静かでした。

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内宮の参道の巨木は、外宮とはまたスケールが違って壮大! 脈打つような根元のまわりは、記者が10人手をつないでもまだ足りないくらいの太さ。しがみついてみると、セミにでもなった気分です。

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暑い時期はとりわけ、水辺の美しさが際立ちます。心まで静かになったような気がしました。

■ おかげ横丁で胃も満足!

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さあ、神々しい空気にすっかり清められたあとは、伊勢神宮のおひざ元『おかげ横丁』で人間に戻ることにいたしましょう。伊勢志摩の夏の名物は、なんといっても『的矢の岩牡蠣』! ひとくちではとても食べきれないような大きな牡蠣を、生でも、焼きでもお好きな食べ方でどうぞ。

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牡蠣が大好きなのに、一昨年から牡蠣アレルギーになってしまった記者は、鮎の塩焼きでガマンしました。鮎だっておいしいですからね。

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冷やしきゅうりの屋台なんかもあって、早々と真夏の気分になれちゃいます!

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せっかくですので郷土料理を。御食つ国(みけつくに)の漁師めし『てこね寿司』と、まろやかなたまり醤油しょうゆのタレでいただく『伊勢うどん』のふたつは外せません。

おなかいっぱいになったあとは、ショップ巡り。ピーク時には、入る気をなくしてしまうくらい混雑していたお土産やさんもゆっくり回ることができて、すみからすみまで堪能することができました。願わくばふたたび、今度こそは本当に雨の日に行きたい!

行楽といえば、からりと晴れたお天気を期待してしまいますが、神社仏閣においては雨ならではの神秘的な雰囲気を楽しめます。お出かけするときは、玉砂利が滑りやすいので、歩きやすい靴を履いていってくださいね。低くても、ヒールは厳禁ですよ!

撮影・執筆=綾部綾 (c)Pouch