手すりの商品開発を行う建築金物の専門商社「マツ六」がYouTube公式チャンネルに公開したのは、パラパラ漫画でおなじみの鉄拳さんが手がけた最新作 『母の辛抱と、幸せと。』という作品。

生まれてから死ぬまで、母と息子が歩んできた長い道のりを丁寧に描いた動画は、涙なしに見ることができません。見終わったあとお母さんに会いたくなるこちらの作品は、間違いなく名作です。どうぞ今のうちに、ハンカチのご用意を……!

【「辛抱」を信条としてきた母】

息子が「オギャー」と元気な産声を上げて誕生してからというもの、ベビーカーを押しおんぶをし、ご飯を食べさせて、育児に勤しんできた母。

真っ黒に汚れて帰ってきたらお風呂に入れて、ケガをしたら手当して、「もう泣くんじゃないよ!」とハッパをかける。あれこれ世話を焼いてくれる母の信条は「辛抱」です。辛くても耐えて頑張るんだよ、と息子に言い聞かせる一方で、母は誰よりもまず自分自身にこの言葉をかけていたのかもしれません。

【ガマンと辛抱を重ねた結果…】

そうして月日は流れて、息子は大学へ進学。身を粉にして働き費用を稼いできた母は故郷を離れる息子を駅まで見送りに行きますが、そっけなく背中を向けて帰ってしまいます。本当は、悲しくて寂しくて仕方がないのに。

息子が就職してからは、心配させぬようにと敢えて連絡をせず、「辛抱」し続ける母。体が辛くて電球すら代えられず、壁づたいに歩くのがやっとだというにもかかわらず、1人でガマンし続けていたのです。

しかし無理がたたったのかとうとう階段から転げ落ちてしまいます。病院からの電話でようやく息子は、母が置かれている現状を知ることとなるのです。

【介護について考えさせられる】

「これから親が歳をとって介護する時に大変だろうなぁと、思いつつ、自分が生まれてそれまでお世話になった事を考えると、同じだと思いました」
「大変さは違うかもしれませんが、育児も介護も子を思う気持ち、親を思う気持ちは同じです」

こちらは動画に寄せられた、鉄拳さんのコメントです。

母の介護を、母が自分に対してこれまでしてくれた行為と重ねる息子の姿に、自分をダブらせて観てしまう人は少なくないはず。鉄拳さんの言うとおり大変さは違うかもしれないけれど、介護は親への恩返しで今までしてくれたことへのお返しのようなものなのだと、作品を観て改めて感じることができました。

ラストシーンが近づくにつれて、涙で前が見えなくなったのは、ここだけの話。電車など公共の場で観るとある意味危険ですので、1人になれる場所でじっくり、ご覧になってみてください。

参照元:YouTube転倒予防ナビ
執筆=田端あんじ(c)Pouch

▼バックに流れる大塚愛さんの曲もいいのよ…