アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動を続けている動物保護団体「Hope For Paws」は、暴風雨がカリフォルニアを襲ったある日、犬の親子を救助するべく車を走らせていました。

近隣住民からの連絡を受けた「Hope For Paws」のスタッフが到着するまでにかかった時間は、なんと3時間半。真っ暗闇のなか、懐中電灯の光を駆使しながら茂みの中を散策すると……。そこにいたのは、1匹のペットブルのメスと、生まれたばかりの子犬8匹でした。

【お母さんワンコの覚悟が見える】

「Hope For Paws」がYouTubeに投稿したビデオによれば、嵐の中、救助が行われたのは出産からわずか48時間後とのこと。始めこそ「子供たちを守らなければ!」と頑なだったお母さんワンコでしたが、食べ物を与え安心させると、「逃げるよりも身を任せたほうが安全」と気がついたようです。

【最後は自ら立ち上がる】

海外サイト「The Dodo」によると、ワンコを率先して救助していた男性スタッフの名前はエルダッド(Eldad Hagar)さん。

瞳をじっと見つめ、頭をなでて、お母さんワンコに優しく話しかけるエルダッドさん。落ち着いたところを見計らってゆっくり、1匹ずつ、赤ちゃんワンコを救助していきます。

引き離されるたび、我が子を舐め、キスをするような仕草を見せるお母さんワンコ。エルダッドさんも、お母さんワンコがよそ見をすると「こっちを見て!」と話しかけ子犬に注目させ、最後まで “キスの儀式” を応援。最後の1匹になると、お母さんワンコ自ら立ち上がってくれて、スムーズに救助を締めくくることができたようです。

【ずっと逃げ回っていたのに…」】

野良犬だったお母さんワンコは怖がりで、近隣住民が過去3カ月ほどに渡って救いの手を差し伸べ続けていたものの、警戒心ゆえなのか逃げ回ってばかりいたとのこと。だからエルダッドさんたちが救助に来たときもきっと、怖くて仕方がなかったはず。それでも「子供を守るため」と腹をくくった姿に、胸を打たれずにはいられません。

【「嵐が去った後の空」のような名前をつけてもらえました】

救助後、「Hope For Paws」スタッフにレインボーと名づけられたお母さんワンコ。オス3匹、メス5匹、合計8匹の子犬たちもそれぞれ名前がつけられて、今も施設で元気に暮らしているようです。

これまであらわにしていた警戒心がウソのようになくなったというレインボーは、スタッフによく懐いているそう。

今後は一生をともにできる新たな家族を探さなければならないわけなのですが、きっと、じきにできるはずです。嵐の中たった1匹で、よく子供たちを守り抜いたね、レインボー。これからはたっくさん、幸せになるんだよ~!

参照元:YouTubeInstagram @hopeforpawsrescueThe Dodo
執筆=田端あんじ(c)Pouch

▼お母さんてスゴイ