よく見慣れた景色でも、ひとたび視点を変えれば、違ったものに見えてくる。ランバラックさん(Rambalac)がYouTubeに投稿した『Walking in Shibuya at night』は、まさしくそんな作品です。

タイトルそのまま、渋谷の街を午後7時から撮影して歩いたというもので、45分という長尺ですが、あまり長さを感じさせません。むしろ、「もっともっと」とその先を観たくなるから不思議。

まるで1本の映画を観ているかのような感覚を覚えるのは、わたしたちが街を歩く時よりもカメラの視点が高く余計なBGMが入っていないせいかもしれません。

【ディストピアっぽさを感じます】

さまざまなファッションに身を包んだ男女が忙しなく行き交い、目がチカチカするような明るさの街頭ビジョンからは次々に音楽が流れてくる渋谷という街。

今や世界的観光名所となった渋谷のスクランブル交差点に立った瞬間に目に飛び込んでくる光景は、映画『ブレードランナー』などSFの世界で描かれる “ディストピア” っぽさ があります。

【見慣れていた景色のはずなのに「新しい」】

カメラは、ストリートミュージシャンが宇多田ヒカルさんの『First Love』を歌うのを横目に、センター街へと進んでいきます。飲食店にアパレル、カラオケ店などが左右にひしめき合う通りを堪能した後は、人波をかき分けながら道玄坂方面に向かいます。

ネオン街や、建設中の工事現場、高架下、駅構内に至るまで、渋谷という街のさまざまな顔が撮影されていますが、こうして改めて見てみると、本当に視覚から入ってくる情報量が多い~!

実はわたしは渋谷に約5年間住んでいたことがあって、毎日のように歩いていたのですが、まるで初めて見る景色のように感じられる瞬間がところどころにあって、目の覚める思いがしました。

【「ゴミが全然ない」という声にハッとする】

再生回数8万8000超にもおよぶ動画のコメント欄には、「なんてメガロポリス」「ネオ・ノワール・ワンダーランド」「別世界って感じだ」「TOKYOはハリウッドでは “未来的な街” として扱われることが多いよね」など、渋谷が持つ魅力に魅せられた声が多数寄せられていたようです。

また「ゴミが全然ない」「キレイですっきりした街だね」「ニューヨークよりずっと清潔だ」という意見もあって意外! だって渋谷ってごちゃごちゃしたイメージで、正直「キレイ」という印象を持っていなかったから……。

そして「車が通らない通りがこんなにたくさんあるとこ、見たことない」「若い人しかいない」という声も、ここに生活していた身としては興味深いものでした。

これらのメッセージを寄せていたのは主に外国の方でしたが、日本人からも「田舎に住んでいる者にはありがたい」という声がいくつか集まっていたのが印象的でした。なるほど、たしかにそのとおりですねぇ。観光ビデオとしてもこの作品は超優秀、かも!

参照元:YouTube
執筆=田端あんじ (c)Pouch

▼気がついたら、最後まで観ちゃってたパターン