エステサロンの広告などでよく見られる、 “ビフォーアフター画像” 。これから先は、今までのようにひんぱんに目にすることが少なくなるかもしれません。

2017年10月25日、厚生労働省は医療機関の広告規制を見直すことを発表。ウェブサイト「時事ドットコム」によると、「ビフォー・アフター」として効果をうたった術前術後の写真掲載を原則禁止する方針を固めた、とのことでした。

規制のポイントとなるのは、「誘引性があるかどうか」

【誇大広告による被害が増えているらしい】

たとえばダイエットや美容整形の広告の多くには、ビフォーアフターで大きな差がある写真が掲載されています。もちろん真実の場合もあるのでしょうが写真の修正技術も向上しているので誇大広告である可能性もなきにしもあらず

そういった誇大広告に、虚偽広告。そういったものが引き金となり、ここ数年は消費者トラブルが増えているのだそうで、広告規制を見直しへと至ったようなんですよね。「国民生活センター」のウェブサイトには、「医師が行う美容医療施術において、皮膚障害や熱傷など危害を受けたという苦情相談が寄せられています」といった記載もありまして、明日は我が身! 決して他人事ではありません。

【規制の「線引き」が難しそう】

写真の加工や修正は、一見しただけではそうそうわかりません。また「どこまで規制するのか」という問題もあるようで、厚生労働省によって行われた有識者検討会では「パーソナルでもありパブリックでもあるSNSは規制が難しいし、監視を行うのは困難」「患者個人のブログを規制することは厳しいのではないか」といった意見が出ていたみたいなんです。

一方で「誘引性があるものが規制の対象であり、誘引性の有無についてどのように確認するかは次の問題」という声も。適用は2018年6月を予定しているとのことですが、術後の想像がつかないまま手術を受けるのも不安ですし、解決するべき課題は山のようにありそうです。

【規制の対象外となる例もあります】

ちなみに学会などが掲載する写真に関しては、消費者への誘引性がないとして規制の対象外となる模様。この試みによって被害に遭う人が1人でも少なくなることを願うばかりです。

参照元:時事ドットコム国民生活センター、厚生労働省[1][2]

執筆=田端あんじ / 画像=Pouch (c)Pouch