女性がサウナを楽しもうとすると、立ちはだかるのは「男性専用」の壁。評判のいいサウナにかぎって、なぜかことごとく男性専用なのです。女性サウナーを最も悲しませる言葉といえましょう。

そんな女性サウナー憧れの地のひとつが、男性専用サウナ「天空のアジト マルシンスパ」。その聖地・マルシンが、なんと年に1度の店休日を利用し、20名限定のレディースデーイベントをやるという情報が入ってきたではありませんか!

女に産まれた以上、足を踏み入れることはできないと思っていたマルシンスパに入れるとは。男たちが天空のアジトでどんないい思いをしているのか知りたい……!

そんな想いを胸に、Pouchの連載「快感♡サウナ女子の世界」でおなじみのサウナ女子と一緒に、イベントに潜入してきましたよー。

【清潔な店内に感動】

マルシンスパは、東京・笹塚駅前。駅から歩いて徒歩1分ほどの雑居ビルの10階と11階にあります。

お店に入る前は、正直、男性専用だし男くさくて無骨な感じかな……と想像していました。

けれども、お店はコンパクトな作りですが、女性も入れるスーパー銭湯とほとんど変わりません。ロッカールームも休憩スペースも、いわゆる男臭やタバコのヤニ臭もなくとっても綺麗です。

【地味に嬉しいバスタオル使い放題】

館内着に着替えて、浴室のある11階へ向かうと……バスタオルとフェイスタオルが借り放題

サウナ室内でタオルを下に敷きたいときもあるし、体をふいて、またサウナに入って……と何セットも繰り返すうちにバスタオルがびちゃびちゃになってくるので、このシステムは最高です。

浴室はシンプルな作り。体を洗うカランが4つと、お湯の入った浴槽、サウナ室、水風呂、寝転がれるイスが2つ並んだ休憩スペースがあります。

カランにはシャンプー&コンディショナー、ボディソープが。そして、石けんと軽石、頭皮を洗うための(?)ブラシまで備え付けてあります。体を洗って、いざ憧れのサウナ室へ。

【山小屋のようなサウナ室】

マルシンスパのサウナ室は、小さいながらも木のぬくもりを感じられる山小屋のような作り。テレビはなく、小さな音で音楽が流れていて、サウナ室の真ん中にある窓から外の景色が見えます。

室内の奥側は4人がけの2段のイスになっています。

そして、ドアのすぐ横が寝転がって座れる2人がけの席があります。この席はドアに近いこともあり、奥の席よりも温度が低め。寝ながらゆったりとサウナを楽しめるとか最高ではないですか……!

そして中央には大きなサウナストーンが。自分たちでロウリュを楽しめるよう、水と柄杓が置いてありました。

今回はスタッフによるロウリュも体験できました。使われたのはシトラスローズのアロマ水。サウナストーンにゆっくりとアロマ水をかけて、うちわで扇ぐと熱い蒸気とともにアロマの香りが広がり、汗が吹き出ます。

ああ、これぞロウリュ。室内が少々狭いこともあり、熱波の勢いは優しめ。それでも十分な熱さを感じることができ、終わる頃には汗だくに。ロウリュが終わったあとの室内温度を見ると、92度ほどでした。(女性向けイベントということで、通常より少し室内温度を低めに設定したとのこと)

【広い水風呂と休憩スペースでととのった〜!】

サウナ室を出て、カランで汗を流したら、いざ水風呂へ。

ビックリしたのは、浴槽のサイズ。なんと小さい方の浴槽がお湯で、大きな浴槽が水風呂になっているのです。水風呂は地下水くみ上げで、色がついてるように見えます。広いだけでなく深さもあるので、5人ぐらい入っていても余裕です。水風呂の温度は18度でした。

2分ほど水風呂につかり、心臓がドクドクしてきたところで、浴室内にある寝椅子でごろり。この寝椅子がサウナ室の近くにあるのとないのとでは大違いです。

取材などでサウナに行くと、仕事のことが気になってうまくととのえないことが多いのですが、今日はロウリュですっかり蒸し蒸しになったこともあり、完璧にととのってしまいました! ああ、脳が快感の波にのまれ意識が宇宙と一体化してる、最高……!

【ととのうための完璧なシステムができている】

浴室から出たら、脱衣所にある冷水機で水分補給。キンキンに冷えた水と、常温の両方が用意してあるのがたまりません。しかも、熱中症対策で塩の小ビンまで置いてあるではないですか。

さらに、目につくのが、館内の休憩スペースの多さ。店内の至るところに寝転がれるソファがあるのです。

サウナ連載でも繰り返していますが、サウナで気持ちよくととのうために大切なのが

サウナ→水風呂→休憩

の3ステップ。サウナ室の広さや熱さ、水風呂の冷たさや水質ももちろんですが、休憩できるスペースがしっかりあるのも大事です。

この3つのポイントがすべてそろってるサウナは少ないのですが、マルシンスパは「ととのう仕組み」をすべて理解しつくしたような作りになっていると思いました。

ちなみに、サウナ女子は、外気浴スペースで休憩していたそうです。「秋風と夜景が気持ちよくて、めっちゃととのってしまいました。なんかわかんないけど、社会貢献したい……なんて考えちゃいましたよ!」と熱く語るサウナ女子。ギンギンにととのってますね。

外気浴のスペースはベランダのような場所ですが、目の前には新宿副都心の灯りと、走る電車が見えてなかなかいい眺めです。開放感がいい〜!

【サウナ飯に舌鼓を打つ!】

サウナから上がったあとのお楽しみはやっぱり食事! マルシンスパの名物は「笹塚チャーシューセット」(980円)。

名物の「笹塚チャーシュー」のハーフサイズとお酒のセットですが、お酒はなんとジョッキサイズ。笹塚チャーシューもハーフサイズといいつつ、なかなかボリューミー。

甘辛くとろとろに煮込まれたチャーシューとメンマに、カラシをつけて食べると最高です。お酒に合う甘じょっぱさ!

その他にも、近くの焼き鳥店・鳥屋花の人気メニュー「とり皮ポン酢」(300円)も、サッパリしていて最高です。

ああ〜、何もかも最高すぎる。こんな場所を男達は独占していたなんて……! うらやましすぎます。帰りたくない……。

【レディースデーイベント、定期的に開催希望!】

実は今回のレディースデーを企画してくれたのは、お笑いコンビ「地球」のメンバー、マグ万平さん

万平さんはマルシンスパで、ロウリュサービスを行う熱波師として働いているのだそう。(ちなみに、相方のマントル一平さんは「テラスハウス」に出演していました)

万平さんが社長を説得して、サウナストーンのメンテナンスを行う年に1度の店休日をレディースデーとして解放してくれたのだとか。

レストランでは万平さん特製の燻製スープを振る舞ってくれるわ、さらに、イベント終了間際に、希望者には通常メニューのロウリュまでやってくれるサービスっぷり! 万平さん、ありがとうございます!!!!!

今回のレディースデーイベントは試験的なもので、今後も継続するかは分からないそうですが、参加した女性サウナーたちがアンケートに「またやってほしい!」と熱い想いを書きまくっていたので、第2回もぜひよろしくお願いします!

※浴室内、サウナ室内の写真はすべてイベント終了後に許可を得て撮影したものです

取材協力=天空のアジト マルシンスパ ※男性専用
執筆、撮影=御花畑マリコ (c)Pouch

▼お手製スープが最初はなかなか売れず寂しそうな万平さん

▼お家で燻製したというソーセージやベーコンが入ったスープは激ウマでした!

▼お店から手みやげまで頂いてしまいました。石けんやメキシコのお塩、割引券、そしてお手紙まで……。女子に慣れていない男子が精一杯のプレゼントをくれたみたいで、あたたかい気持ちに……

▼涙がチョチョ切れたお手紙。メンテナンス後のサウナストーブはキレが増す……そんなタイミングでレディースイベントを開いてくれるとは!