地方出身の人が上京するなどしたときにぶつかるのが「言葉の壁」。「えぇーっ、この言葉って標準語じゃなかったんだ!」と驚いたことは一度や二度ではないのではないでしょうか。

このたびJAF(一般社団法人日本自動車連盟)が発表したのは、「地元では当たり前で標準語だと思っていた言葉ランキングTOP5」。「JAF」ホームページでは2017年10月26日(木)から11月14日(火)の間、方言にまつわる「みんな教えて!ご当地アンケート」を実施。5706件の回答が集まったそうです。

たとえば皆さんは、「これ、ほかしといて」って言われたらどうすればいいか……さぁ、わかる?

【「ほかす」はゴミなどを「捨てる」こと】

今回のランキングで「ほかす」は4位にランクイン。ゴミなどを捨てるときに「〇〇をほかす」「ほかしといて」などと使います。私は三重県出身ですが「ほかす」は通じるので、関西周辺に住んでいる人ならわかるかもしれませんね。

ただし、アンケートによると京都の50代男性は「東京へ転勤になったとき『ほかす』が通じなかった」そうで、さすがに関東まで来るとこの言葉は通じないようです。

【「こわい」にいろんな意味がある】

このほかランキング結果を見てみると……1位となったのは「なおす」。これは物を片付けることを指し、おもに関西のほうで使われているようです。

2位は「なげる」。秋田の50代女性によると「私の地域では『ゴミを捨てる』を『ゴミをなげる』と言います」とのこと。同じ「ゴミを捨てる」でも、地域によって「なげる」だったり「ほかす」だったりするとは。意味を知らず、本当にゴミを放り投げてしまったならたいへんなことに……!!

3位は「えらい」。愛知県に住む30代男性によると「香川では疲れたことを『えらい』といいます。ちなみに今住んでいる愛知でも疲れたことを『えらい』といいます」とのこと。全国のさまざまな地域で使われている言葉と見られます。

そして5位には「こわい」がランクイン。「北海道から大阪に転勤になったとき、しんどいときに『こわい』と言ったら大笑いされた」という人もいれば、岐阜の男性は「『このごはん、こわいね』は『このごはん、硬いね」という意味」とのこと。

同じ「こわい」でも、地方によっては意味が「しんどい」「硬い」に分かれるようです。

【西日本では「離合」なんて言葉も……】

ちなみにトップ5には入っていませんが、九州・四国を中心とした西日本地域では、狭い道での車のすれ違いを「離合(りごう)」というそう。「離合できんかもしれん」なんて使うようですが、初めて聞いた人は戸惑って聞き返してしまいそうです。

皆さんは引っ越し先や旅先で、標準語だと思っていたのに通じなかった言葉はありますか? 通じないとちょっと恥ずかしい気持ちになってしまいますが、それはそれで自分のアピールになりますし、他のエリアの人たちと親しくなるためには避けては通れない道なのかもしれませんね!

参照元:JAFご当地情報プレスリリース
執筆=鷺ノ宮やよい (c)Pouch