子供の頃、わたしは1日でも早く夏休みの宿題を終わらせることに命をかけていました。だってそのほうが、優雅にのんびり、残りの夏休みを過ごせるから。

宿題というものはそもそも、本人がやってこそ意味のあるもの。ですがどうやらここ数年、子供たちの代わりに宿題を行う “宿題代行” というネット出品が多発しているらしく、問題視されていたようなんです。

試しにネットで検索してみると、宿題代行を募集している人や、宿題代行をしている人の声を見つけることができました。う~~~む、最初は半信半疑だったけれど、実際にあることなんですねぇ。スゴイ時代になったものです!

【主要3社が合意】

これを受けて文部科学省は、ネット上でフリーマーケットやオークションサイトを運営する「メルカリ」「楽天」「ヤフー」の3社と、宿題代行の出品を禁止することで合意したと発表。「メルカリ」も公式サイトでその旨を公表しています。

【メルカリ「完成品はこれまで禁止商品ではなかった→今後は禁止に」】

「メルカリ」が合意したのは、次の2点。

1. 子どもたちに代わって宿題を行う役務を提供することや、読書感想文や自由研究といった宿題の完成品を出品することを禁止する。宿題代行行為と思われる出品があった場合には、商品の削除などの対応を行う
2. 文部科学省と連携し、子どもたちが自ら宿題に取り組む環境の整備を推進する

「メルカリ」では以前から、宿題代行を提供することを禁止していたのだそう。ただし完成品については、名前などの個人情報が記載されているものは削除対応をしていたものの、それ以外の商品は出品者の自由を尊重する観点から禁止商品にしていなかったといいます。

しかし今回行われた文部科学省との合意を機に、完成品の出品も禁止となった模様。「宿題代行行為の根絶に向けて取締を一層強化してまいります」と宣言しているんです。

【ツイッターでも話題になっています】

文部省の発表を受けて、ツイッター上はにわかにザワザワ。

「夏休みの宿題が売買される世の中になったのね 考える人もすごいな!」
「その是非や善悪は置いとくとして “時間は金で買える” という認識がもう子供の間ですら常識として広がってんだな~、ってなった」
「多分、親がターゲットですよね」
「俺は姉にお金はらってやってもらったな」
「今の世の中、愚直に課題を遂行するタイプよりも、 “これは苦手だから(時間が無いから)外部に委託しよう” みたいな知恵が回る人間のほうが人生上手くやっていけてるようになってるのがなぁ……」

といった具合にコメントが続々集まっています。また一方では、

「宿題代行って、てっきりのび太やまる子みたいなルーズな子供が顧客なのかと思ったらそうではなく、 “塾の勉強が忙しくて、学校の宿題なんてやる暇のない” 出来杉君や丸尾君みたいな子が対象らしいね」
「これらの業者や保護者に批判がいくが、根本的に学校の運営やあり方が今の時代に全然あっていないって事。夏休みの宿題を細かく指定されタップリ出しておきながら夏休みにしか経験できない事や思い出沢山作ってくださいと学校側は言う。そんな器用な事子供は出来ないよ」

といった意見も見られ、「そもそも宿題が多すぎる」「宿題は必要なのか?」といった声が多く挙がっていたのも印象的でした。

いずれにせよ、これを機に宿題代行を出品する人が減少することだけはたしかでしょう。しかし “網目をかいくぐる” かのようなアイディアが生まれるのも時間の問題のような気がするのは、わたしだけなのでしょうか。

参照元:メルカリ文部科学省Twitter検索 宿題代行
Photo=RocketNews24
執筆=田端あんじ (c)Pouch