本日2021年3月29日朝時からNHK Eテレで放送された『昔話法廷 「桃太郎」裁判』が話題沸騰中。ツイッターで一時トレンド1位を果たしました。

放送前からキャストの豪華さで注目されていましたが、『天国と地獄~サイコな2人~』の森下佳子さんが脚本を手掛けただけあって、想像をはるかに超えてきた……!

約30分の放送時間内に差別・偏見・誹謗中傷といったテーマを盛り込んだ、とんでもない大作だったんです。

いやもうこれ、2時間ドラマにするべきでしょ!!!

【事件の真相にびっくり…】

『昔話法廷 「桃太郎」裁判』では、桃太郎(仲野大賀さん)を被告人として裁判を展開。

弁護人(佐藤浩市さん)と検察官(天海祐希さん)によって、「桃太郎による鬼の大量殺人事件」の真相が紐解かれていきます。

桃太郎は、鬼からの襲撃予告が来たため、村人を守るべく「鬼退治」という行動に出た……

はじめこそ、そう語られていましたが、事の真相は闇深く

・「桃から生まれた」ことで言われなき差別を受けた桃太郎→「鬼が襲撃にくる」と自らデマを流す
・鬼退治へ行ったことで差別はなくなり「英雄」となる
・犯行の動機は「英雄だと手のひら返しした愚かな人間たちを見て笑いたかった」

という事実が明らかになったのです。

【仲野大賀の名演に泣いた】

優しいおじいさん・おばあさんに見守られ、すくすく育ってきた桃太郎。ところがある日、SNSで「桃から生まれた」ことを揶揄されて以降、人生がガラリと変わってしまいます。

差別はネット上にとどまらず、村人からも偏見の目で見られる毎日。

桃太郎はそんな日々を振り返りつつ、自分はずっと変わらないのに、世間はそう見なかったとを指摘。「俺は俺なのに」と絞り出すように叫ぶ場面では、胸が苦しくなるほど……。

【桃太郎も「愚かな人間」のひとり】

しかし、だからといって、罪は帳消しにはなりません。

桃太郎が殺した鬼たちは、人間と争う気はなく、むしろ「人間から差別される側」の存在でした。

自分と同じ「差別の被害者」に手をかけた桃太郎も、手のひら返しした人間たちと同じく愚かである……。

舞台は「誰もが知る昔話」ですが、取り上げられたテーマは現代社会に直結するもので、深く考えさせられます。

【ネットで話題&見逃し配信やってるよ!】

NHK Eテレ、しかも子ども向け番組として放送されたとは思えない、重いストーリー。

放送直後からネットでも話題で、ツイッターには

「人種差別、貧困、SNS、デマ、フェイクニュース、 盛りだくさん素晴らしすぎる」
「桃太郎裁判深すぎて月曜日朝の小児科待合室がシーンとなりました」

といった声が寄せられています。

現時点では、再放送されるかどうか明らかにされていませんが、NHKプラスにて4月5日朝9時33分まで見逃し配信が行われています。

「見逃してしまった」「もう1度観たい」という人はぜひ!

参照元:NHK for SchoolNHKプラスTwitter @NHK_PRTwitterハッシュタグ #昔話法廷
執筆:田端あんじ (c)Pouch

▼ちなみに犬の声は大倉孝二さん&猿の声は本多力さんが担当しています(豪華!)