【第39回 「万物を可愛いと解釈できるワタシが可愛いでしょ?」は古い!】
女性とは基本的に、何を見ても「可愛い」と言うものです。散歩中の犬・飲食店で出される食事・下弦の月に至るまで、なんでもかんでも「や~ん、可愛い!」と大絶叫。
彼女たちは決して、「万物を可愛いと解釈できるワタシが可愛いでしょ?」などという姑息な恋愛テクを使っているわけではありません。野良猫や、付け合せのピクルスや、北斗七星などを心から「可愛い」と感じているからこそ、「可愛い!」と絶叫しているのです(ということにしておきましょう)。
とはいえ、男性陣からの評判はイマイチなのが現状です。世の男性たちの目は節穴ではありません。書店の女性向けコーナーに置かれている「恋愛ハウツー本」の存在とて彼らにはバレバレですし、それらを実践しているであろう女子に多く接することによって、「これは何かの恋愛テクだな?」と、疑い深くなってしまっていることでしょう。
というわけで、あらゆる物に対して「可愛い!」と連発するのはやめましょう。本当に、心から「可愛い」と感じていても、公言するのはやめておきましょう。加えて、ブサイクを売りにしている女芸人さんなどに対して、「私は可愛いと思いますよ!」というのもNGです。「世間ではブサイクと見なされているものを可愛いと思えるワタシって心が広いオンナでしょ?」というアピールにとられてしまいます。万が一、「じゃあ、その女芸人さんの顔とチェンジしたいか?」と問われた際、言い訳に詰まるのはみっともないものですよね。
ただし、意外と有効な「ベタボメテクニック」も存在します。ブサイク女芸人さんは芸能人ですが、一般人に対してなら、そこそこの効果はあるようです。といっても、仲間内で一番の醜女を褒めちぎれとか、そういうことではありません。褒めるべきは、「仲間内のお笑い系女子」です。
会社でも趣味の集まりでも、たいてい1人くらいは盛り上げキャラの「お笑い系女子」がいるものですよね。男性にも女性にも「おもしろいヤツ」という立ち位置で振舞う、ありがたい存在です。その、「ありがたい!」という気持ちを、存分にアピールしましょう。
アピールの仕方ですが、「貴女が場を盛り上げてくれるおかげで、ワタシはこっそり駆け引き・抜け駆けに集中できます!」と正直に言ってしまってはいけません。「○○ちゃんがいると楽しい!」「○○ちゃんのこと大好き!」という、単純な言葉で充分です。
人間、褒められると嬉しいもの。褒めてくれた相手を好きになります。そして、貴女のことを、「△△ちゃんってイイ子だよ」と、男性陣に伝える役割を務めてくれます。「お笑い系女子」は、男性陣とも友達として親しくしているタイプの人が多いので、貴女の良い評判はまたたく間に広まるでしょう。
この方法にはもうひとつポイントがあります。「お笑い系女子」は、男性陣から見ても「確かに褒めるべき存在である」ということです。野良猫や、付け合せのピクルスや、北斗七星や、ブサイク女芸人さんは、人によって可愛いと思うか否か意見が分かれますが、仲間内の「お笑い系女子」なら間違いはありません。
無意味に万物を褒め散らかすよりも、「お笑い系女子」に感謝の念を表明しましょう。
(恋愛コラムニスト=菊池 美佳子)