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デパートの屋上は都会のガラパゴスだった【新宿編:小田急百貨店】

2011年2月21日

今のこの時代、デパートの屋上はどうなっているのでしょうか。都心の店舗を回って見えてきたのは、それぞれが勝手に進化を遂げたガラパゴスのような世界でした。

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【新宿 小田急百貨店】 ―脱力系隠れ絶景スポット―

新宿西口にそびえ立つ、小田急百貨店。1階にはシャネルやカルティエなどの超高級ブランドの店が並び、庶民の心を圧倒させます。階を上がるにつれてカジュアルさは増していくとはいえ、ここは百貨店。お上品な雰囲気は変わりません。

屋上はその名の通り「屋上広場」と呼ばれているようですが、そこにはいったいどんな場が広がっているのでしょうか? 期待に胸膨らませてエスカレーターを降りた先にあった光景とは……!?


最初に目に映るのは、プラスチック製のカラフルで現代的なすべり台がひとつ。ちょっと薄汚れてはいますが、子供たちの格好の遊び相手となっています。こうしていると、どこにでもある普通の公園のように思えてきますが、少し見上げると大きな看板や避雷針が目に飛び込んできてビルの屋上だということをあらためて実感。

端の方には小さな空き地がありました。なにかと思って近づいてみると、花壇のようです。種をまいてあるそうなので、春には色とりどりのお花が咲き乱れ、やってくる人々を歓迎してくれるはず。しかし、何も咲かない冬の間はかなり殺風景な印象を受けます。

さらに、片隅には不思議な木の物体(置物)が……全体に彫られたいびつな丸型模様と頭に付いた2本の棒から察するに、正体は恐らくキリン。向こうに見えるのは、ひょっとして馬でしょうか? 木製であたたかみが感じられるとはいえ、動かないので乗ったところでそんなに満足感は得られないような気がしますが、とにかくひたすら心が和むこと請け合いです。

そして、水道蛇口のひねる部分は小鳥(たぶんズズメ)でした。なけなしの遊び心か。全体的に脱力しています。これほどまでに間の抜けた感じは、普段普通に生活していてはそうそう感じることができません。半ば意気消沈して、帰ろうと階段を探したら意外と良い景色が見えました。

なんと、新宿駅東口が一望できるんですね。行ったり来たりする電車と、人の流れ。いつもなら自分がいるところから切り離された場所でこれを眺めるのは、なかなか贅沢な時間でした。

眺望度 ★★★
やる気の無さ度 ★★★★
おすすめな人:おひとり様

(記者:鹿)

画像:flickr Jake Jung / Pouch 鹿

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