オフィスビルの駐車場に一台のおしゃれなトラック。『Miho Gastro Truck』 は今アメリカで流行中のフードトラック、いわゆる移動販売車です。フードトラックはマンハッタンなどの大都市では多忙なビジネスマンに昔から人気があり、ニューヨークの風景の一部となっています。
しかしここ数年は、グルメフードトラックがロスアンゼルスをはじめ全米で流行しています。内容もトッピングに工夫を凝らしたホットドックなどの定番料理からメキシコ料理、インド料理と様々。
レストランを出店、経営するより安いことや不景気などの理由から、このブームに拍車をかけているようです。またツイッターとスマートフォンの普及で、日々どこで営業しているかなどの告知が簡単にできるようになったことから経営もしやすくなったそう。
今回ご紹介する、この『Miho Gastro Truck』 は南カリフォルニア、サンディエゴで人気急上昇中のハンバーガー専門店です。ハンバーガーと言ってもこだわり抜いた素材を使用したグルメバーガーと呼ばれる高級ハンバーガー。地消地産をモットーに地元の有機野菜、ホルモン剤や抗生物質などを投与しない牧草肥育のビーフなどが使われています。
メニューはハンバーガーのほかに、月や週で変わるメニューもあり、その時期の旬の素材が堪能できます。この日はビーフハンバーガーの他にポルテベロという大きなマッシュルームを肉に見立てたハンバーガーがメニューに。さっそくこの2種類と、人気商品でもあるベルギー風フレンチフライをオーダーしました。
ビーフハンバーガーは原種トマトのスライスとバジル、ソテーされたオニオン、自家製のピクルスと自家製ケチャップなどが、少々甘みのあるソフトなブリオッシュのバンズに挟まれています。グラスフェッドと呼ばれる牧草肥育のビーフは、草を食べて育っているので普通のビーフより脂身が少なく、さっぱりとした牛肉らしい味わいが楽しめます。
そんなパティとフレッシュな野菜、自家製ケチャップにやわらかいブリオッシュの甘みの絶妙なハーモニー。こんなに深みのあるハンバーガーはそうお目にかかれるものではありません。
もうひとつのポルテベロバーガーはメインが肉厚なマッシュルームということで、一体どんな味がするのか、興味津々で一口目をがぶり。マッシュルームのジューシーさが口に広がり、驚愕! そしてガーリックがきいているアイオリソースにはペストやローストしたフェネル(ウイキョウ)などもミックスされており、野菜のみのバーガーでも、淡白すぎないように工夫されているのを感じました。とてもやみつきになる味!
また、カリッと揚がった太めのベルギー風フライドポテトも止まらないおいしさで、スパイシーな自家製ケチャップとの相性も抜群でした。
ハンバーガー類が約8ドル(約638円)、フライドポテトが約3ドル(約239円)と少々値段が高いような印象がありますが、このクオリティのハンバーガーをレストランで食べれば10ドル(約798円)は優に超えるでしょう。
フードトラックの流行はまだまだ続きそうな予感。アメリカに旅行に行く際にはその街の有名なフードトラックを調べて食べ歩くのもオススメです。
(記者=Mayumi Ueda)