氷河といえば大きく崩れるシーンがテレビや映画でおなじみですが、実際に目の当たりにするとどうなってしまうのでしょう。本日は、考えただけでもぞっとする場面に遭遇した映像をご紹介します。
アラスカのトレーシーアームというフィヨルドで、氷河を見てまわるクルージングツアーが行われました。深く入り組んだ湾に、外側は真っ白で内側は醒めるような青色の氷河が山を覆うように広がっています。
ちなみに氷河の色ですが、白い部分は隙間のある空間で光が乱反射するため白く見え、青い部分は光の屈折により青色を反射する氷の結晶が幾重にも積み重なったため青く見えます。重なった氷の密度が多いところほど青く見えるということですね。何年もかけて形となった氷河はまるで地球を映す宝石のように美しく輝いています。
しかし、きれいだなあと氷河を眺めているのもつかの間。急に中央部分の氷河が崩れ始めたのでした。
高さ60メートル以上もある氷の塊が、観光客を乗せた船のすぐ目の前で崩壊。観光客からは一瞬歓声が上がりますが、その声はすぐに悲鳴へと変わります。
「わああああああああああ!」「まじすか~!!」「危険危険危険。」「ドカドカドカ……!!」
氷河が崩れた衝撃で大きな波がしぶきを上げながら船を揺らします。そして崩れた氷河の破片(といっても音から察するにかなり大きいものだと思われます)が船目掛けていくつも飛んできたのです。そのうちのいくつかは船に当たってしまったようで、船からは黒煙が上がります。冷たい海の上でこのようなことが起こっては、まるで生きた心地はしなかったでしょう。
映像の最後の方では、先ほどまで氷河を見ていた中年女性が船のデッキに倒れているのが見えます。彼女は飛んできた破片にぶつかって足の骨を折ってしまったそうです。
この映像には「私もこのボートに乗ったことがあるけれど、その時はここまで近づかなかった」というコメントもついており、あまりの氷河の美しさに危険の可能性をかえりみず、ボートが近づきすぎてしまったものと思われます。自然は美しくも、ときに恐ろしいものであるということを再認識させられる映像でした。
近年は地球温暖化が深刻な問題となっており、都市部でも熱気が原因のスコール現象が発生していますが、私達人間は自然をアトラクションの一部としてとらえるのではなく、ともに共存して生きているという感覚を常に忘れずにいたいものです。
(文=みあざきぱなま)
参照元:youtube.com(http://p.tl/SxHo)