人は嬉しいとき、悲しいとき、感情の極まりが頂点に達したときに涙を流します。しかし、その感情の極まりが頂点さえ飛び越えてしまったとき、涙は流れずとも声を上げて慟哭(どうこく)するのではないでしょうか。
ご紹介する動画は、海外のインターネットユーザーの間で2500万回も視聴されたものです。これはドラッグやアルコール中毒に陥った者を再起させるドキュメンタリー番組の一部です。公開動画からは、内容の全編を把握することはできないのですが、絶縁状態にあった親子が再会を果たし、互いを理解し合おうと必死になっている様子が伺えます。
親子間で難しい時期のあった人には、おそらく理解できるのではないでしょうか。息子が涙ながらに口にした「愛している」、その一言を聞き父親は、言葉さえも忘れて、子どものように泣き喚いてしまいます。
「Best Cry Ever」と題されたこの動画、視聴する際は十分にご注意を。父親の気持ちを察すると、涙なくしては見ることができないのです。
公開されている動画は、もともと米ケーブルテレビ「A&E」で放映されたものです。「インターヴェンション」(人為的介入)と題されたこの番組は、ドラッグやアルコール等に依存、中毒している者に介入して立ち直る手助けをするというもの。中毒者が社会復帰するのは、容易なことではなく、薬物に手を出したきっかけや家族関係や職場環境にも踏み込んでいかなくてはいけません。この番組は、その途上で起きるドラマを粒さに記録していき、アメリカのテレビ番組に贈られる栄えある賞、「エミー賞」の部門賞を獲得した実績を持ちます。
Youtubeで注目を集める動画は、なんらかの理由で離縁していた親子が再会し、話し合うという場面です。番組の主旨から察するに、ドラッグ・アルコール中毒からの再生の途上で、親子の席が設けられたのでしょう。
息子は涙ながらに、いかに辛い心の傷を負ったのかを、父親に話ます。しかし、彼はまだ父親のことを「愛している!」と訴えたのでした。そこまで黙って聞いていた父親は、思わぬハプニングに遭遇したときの子どものように、とめどなく泣き喚くのでした。
おそらく、息子が苦しい人生を歩まねばならなかったのに、まだ自分のことを愛してくれていることが、有難いやら申し訳ないやら。人生が走馬灯のように駆け巡り、感情がにわかにほとばしったのではないでしょうか。
この動画について海外のネットユーザーからは、決して賛同的な意見ばかりではありません。極端な泣きようを笑い者にするようなコメントも数多くあります。また、「これを笑う奴は地獄に落ちろ」、「とても悲しい」、「心が痛む」などのコメントも寄せられています。
いずれにしても、この番組を通じてこの親子が再び手を取り合って、人生を歩んで行ってくれていると信じたいものです。繰り返しになりますが、職場や電車内での視聴には十分に注意してくださいね。
(文=チャーミー)
参照元:Youtube danike567