最近は女装する男性のことを、「男の娘(おとこのこ)」や「女装子(じょそこ)」と呼ぶそうです。専門誌や写真集まで登場するようになり、世間的に受け入れられつつあるのではないでしょうか。
これからチャレンジしたいという男性の皆さんに、注意して頂きたいことがあります。いや、もしかしたら、女性も注意した方が良いかもしれません。腕や脚の毛を剃刀で剃る際に、十分注意しないと大変なことになります。というのも私(記者)は、昨年女装にチャレンジしたのですが、脚の毛を剃るときにちょっと古い剃刀を使ってしまったために、大変なことになったのです。
何が起きたのかというと、「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」という、聞いたこともないような病気にかかり、点滴を打つことになりました。かかった経緯と、この病気についてお伝えしましょう。
私が女装にチャレンジしたのは、単純な興味からです。どちらかといえば、整っている顔立ちをしている方ではないと、自負しているのですが、物は試しとやってみたところ、女装自体はなかなか面白いものでした。普段からヒゲを剃ることさえも怠るような男です。化粧をするという感覚に衝撃を受けると共に、女性はいつもこうやって美しく見せる努力をしているのかと、感心した次第です。
■ 蜂窩織炎、発病時のこと
女装した後、2~3日経ってから自分の体調が優れないことに気付きました。はじめは、軽いめまいがするな、と思う程度だったのですが、頭痛はしないのに発熱しているように感じたのです。「放っておけば治るだろう」と、高をくくっていたのですが、一向によくなりません。そればかりか、体がだるくなり始め仕事に集中できなくなったのです。
それと同時に、左足首が異様に腫れ上がり、痛みのために歩くのもままならなくなったのでした(後にそこが患部であることが判明)。
■ 病院に行ったら、先生の方があせっていた
そこで病院に行ったところ、担当してくれたお医者さんが「これは大変だ!」と、驚きを隠さなかったのです。すぐに点滴をすることになりました。病名は蜂窩織炎です。これは簡単に言えば、化膿性炎症の進展したもので、基本的には黄色ブドウ球菌などによる皮膚感染症のことなのだそうです。患部が腫れ、発熱、悪寒、頭痛に見舞われます。
発熱と左足の痛みに、何ら関係がないと思っていた私はお医者さんの説明を聞いて納得しました。
■ 発病の原因は、古い剃刀でのムダ毛処理
先生のお話を聞き、自分の状況を振り返った結果、古い剃刀で手足の毛を剃ったのが発病の原因と思われます(細かく調査し、検証をした訳ではないのですが)。剃りなれた剃刀で、すね毛を剃ったのですが、そのときに左足首の辺りに小さな傷を作ったようです。そこからばい菌が入り、発病のきっかけを与えた可能性があります。
この翌日に、再度ブドウ糖の点滴注射を受け、お薬を頂いて約1週間で良好な状態へと戻りました。先生のお話では、かなり早い段階で対処できたとのことでした。場合によってはすぐに症状に気付かず、さらに深刻な状況を招くケースもあるそうです。
また、先生がおっしゃるには、生傷を作ることの多いスポーツ選手がなることが多いのだとか。大相撲で活躍した小錦さんも、頻繁にかかっていたとおっしゃっていました。
男性でも女性でも、ムダ毛を処理する際は清潔な剃刀を使いましょう。これから女装にチャレンジするという男性は、特に注意が必要です。
(文・写真=佐藤英典)
▼ 左足がパンパンに腫れ上がってしまいました。このときの体温は38度近く