他の国の言語を習得するのはとても難しいことです。私の知人には3年以上アメリカ留学するも全く話せない人や、車一台分英語に投資したにも関わらず全く身についていない人が結構います。最近でも、「最近外資の会社に入ったんだけど、社内が外人ばかりで今英語を必死に頑張っているんだよねー」という人や、「某EC大手R社にいるんだけど、社内英語化になってから、英会話教室に通うようになりました。でも全く成長してません(笑)」という方など多くの人に会いました。
でもいったいなぜ、こんなに勉強しても英語力が身に付かないのでしょうか?今回は、日本に来て4年目、長野の高校で英語を教えているLさんに勉強法を尋ねてみました。ちなみに、彼は非常に流暢な日本語をしゃべり、最近では母国語である英語を忘れてきてしまっているのだとか。
さて、その必勝法とは?
記者:Lさんは日本語がとても上手ですよね。でも、どうやってそこまで習得されたのですか?
Lさん:うーん、まず日本が好きだからというのもありますが、今回は特別に私がなぜここまで日本語を習得できたのか特別に教えたいと思います。これをやれば、あなたたち日本人も英語が習得できるはずです。
記者:おお!ありがとうございます!
Lさん:まずは、パソコンに『Anki』という無料の学習サポートソフトをインストールしてください。
記者:『Anki』ってそもそもなんですか?
Lさん:繰りかえし記憶することをサポートしてくれる無料のソフトです。ほら、コンビニなどで単語カード売ってるでしょ?その電子版みたいなものです。表に問題を書いて、裏に答えを書くやつ。これが最高なのですよ。
記者:単語カードの電子版、、、なるほど、でも電子版の何がいいのですか?
Lさん:まず単語カードって、表の問題を見て、次に裏にある答えを見ますよね? で、裏の答えを見た後に、このAnkiでは、『もう1回』『普通』『簡単』『非常に簡単』の4つの選択肢から1つを押さなければならないのです。例えば、『もう1回』を押すと、その問題はまたすぐに出題されます。逆に『非常に簡単』を押せば、次に出題されるのは7日後だっりするのです。要はこれを繰り返すことで、効率的に頭にインプットさせるわけですね。1回で覚えるんじゃなくて繰り返し覚えていくみたいな。
記者:なるほど、確かに市販の単語カードではそこまでできませんものね。
Lさん:その通りです。そして、市販の単語カードはカード数が増えていけば、扱いに困ります。私は現在7000カードありますが、これを持ち運ぶことは到底不可能です。
記者:ちなみに、よく日本人は表(問題)は英単語、裏(回答)は日本語だったりしますが、これはどうなのでしょうか?
Lさん:表に日本語を書いて裏に英単語を書くのがベストでしょう。日本人は外国人と話す際、一度日本語の文章を頭に描きそれを英語に変換しているでしょ?だから日本語から英語に変換させる訓練を行わなければいけません。
あと、もうひとつ重要事項があります。表には一緒覚えたい例文も書いてください。つまり単語はそれだけ覚えても使いものになりません。したがって例文も覚えるのです。
例えばこんな感じです。
<表>
・BにまでAを拡大する
私たちは中国に営業を拡大しようと計画している
<裏>
・extend
・We are planning to extend our business to China
記者:かなりヘビーな覚え方ですが、確かにおっしゃる通りですね。さて、他に注意点などありますか?
Lさん:英文はできれば声に出して読むことです。電車などでは厳しいかもしれませんけどね。
記者:最後にお聞きしますが、ヒアリングの訓練はどうしたらいいでしょうか?
Lさん:これは自分の好きな映画やポッドキャストなどを定期的に聞くことですね。重要なのは、自分の興味がそそられるものであること。ちなみに私は爆笑問題のポッドキャストが好きで、毎日聞いています。とにかくこの2つをやれば間違いなく上達しますよ。日本人はお金で解決する前にやることがたくさんあるはずです!あと、最後に言わせてください。言語習得はプロセスが大事です。この場合は、自分で単語帳を自分で作り上げる、そのプロセス、これが大事なわけです。市販の単語帳よりも役に立つ単語帳、ぜひご自身で作ってみてください。
記者:なるほど、ありがとうございました。私も実践させていただきます。
ということで、いかがでしたでしょうか? 実際に言語をマスターされている方のお話ですので、非常に説得力がありますよね。
ちなみにLさんの彼女は日本人で、彼女もこの『Anki』でガンガン英語力も身に付けているのだとか…。
(文=Yoshio)