夏になると京都の和菓子屋さんなどから販売される金魚ゼリー。記者は金魚モチーフが大好きなので、夏になるとよく買い求めるのですが、以前から気になっていたのが「金魚の配置」。
よくよく確認して選ばないで、お店の方に任せっぱなしにしちゃうと、たまに金魚が横に寝ていることも。「これじゃ、死んでる金魚みたいだよー」と叫びたくなっちゃう。そうでなくても、金魚同士が変に寄ってしまっているような商品ばかりが箱に入っていることもあったりして、なかなか完璧な配置のものに出会えないのです。
見ているだけで癒されるような、完璧な配置の金魚ゼリーを見てみたい! そんな端から見たらどうでもいい情熱が、記者の心の中にふつふつと湧いてきて居ても経ってもいられなくなり、思いあまって作ってみることにしちゃいました。
記者のような「金魚ゼリーフリーク」も世の中に何人かいると思いますので、作り方をご紹介します。
【金魚ゼリーを作るために用意するもの】
<食材>
分量は、用意するグラスの大きさや器用さなどに大きく関わってくるので、各自ご調整ください!
・かき氷用のメロンシロップ(緑)
・かき氷用のブルーハワイシロップ(青)
・ モナンモヒートミントシロップ(透明)
←ガムシロップ+レモン汁でもできました。
・ゼラチン
・寒天
・トマトジュース(無塩)
・砂糖
・ペパーミント(飾り付け用)
・アラザン
・水
<道具>
・楊枝(グラスの数×4本程度)
・鍋
・グラス
・大きめのタッパー
【金魚ゼリーの作り方】
1.トマトジュースを沸騰させ、寒天と砂糖を煮とかしてタッパーに入れ、厚さ5ミリから8ミリくらいのゼリーを作る。
寒天を使うのは、ゼラチンよりも溶ける温度が高いために、ゼラチンで作ったゼリーの中で金魚がとけないからです。
2.トマトジュースゼリーが固まったら、大きめの皿やまな板の上にゼリーを取り出し、金魚型にナイフで切り抜く。シンプルな形で、しっぽだけちょっとひらひらさせるくらいが無難。複雑な形のものは、ちぎれるので注意。グラスに2匹ずつ入れるとして、予備の分もいくつか作ることをオススメします。
3.グラス1/5程度の緑のゼリーができるように、メロンシロップを水で薄めて沸騰させ、ゼラチンを加えてよく混ぜてグラスに注ぎ、冷蔵庫に入れる。
4.メロンシロップのゼリーが固まったら、アラザンを1、2粒落とし、楊枝の頭を使ってゼリーの中に埋め込み、「泡」を作る。一気に埋め込まないと、アラザンのシルバーの部分が取れてしまうので注意。
5.グラス1/5程度の青いゼリーが緑のゼリーの上にできるように、ブルーハワイシロップを水で薄めて沸騰させ、ゼラチンを加えてよく混ぜてグラスに注ぎ、冷蔵庫に入れる。
温かいゼリー液が上に乗ると、最初のゼリーの上部が少し溶けて、色が混ざり合います。
6.4と同じようにアラザンであぶくを作る。
7.グラス1/5程度の透明のゼリーが青いゼリーの上にできるように、モヒートシロップを水で薄めて沸騰させ、ゼラチンを加えてよく混ぜてグラスに注ぎ、冷蔵庫に入れる。
8.4と同じようにアラザンであぶくを作る。
9.透明のゼリーをもう一層作る。冷蔵庫にはまだ入れないで2、3分放置して少し冷ます。
10.2で作った金魚を透明ゼリーに浮かべ、金魚が寝てしまわないように、楊枝を両サイドからしっかりと固定する。楊枝はゼリーの深い層まで届くようにしっかりと差し込む。そのまま金魚がずれないように注意しながら、冷蔵庫に入れる。
11.ゼリーが固まったら、楊枝をねじりながらそっと抜く。
12.最後の仕上げとして透明ゼリーの薄い層を作る。
13.ペパーミントの葉をグラスの上にかざる。
ビンの中に作ったら、ふたをしてプレゼントにもできそう。ゼラチンのゼリーはわりと柔らかいので、グラスを揺らすと金魚のしっぽがゆらゆら揺れてみえます。金魚好きの心をグワシッと鷲掴みにすること間違いなし!
金魚を完璧な配置にするのはけっこう難しいです。記者はゆっくり時間をかけて、たかだか7個、しかも市販のものよりもけっこう大きめの金魚ゼリーを作りましたが、楊枝で固定するところに手間取りました。今まで金魚ゼリーの金魚の配置に「チッ」と思っていた自分を反省。
完璧な配置にするのが難しいだけに、きれいな形にできたときの喜びもひとしお。グラスの中に日本庭園の池を作ってしまったかのように思えてしまい、思わず俳句の一句でも詠みたくなるほどです。ぜひ、金魚モチーフ好きのみなさんもお試しください。
(文、写真=山川ほたる)