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一人っきりで何も考えたくないときに行きたいお店「名曲喫茶ライオン」 ただし私語は控えめでね

2012年10月26日

日ごとに秋が深まり、寒さがつのるようになると、ぼんやりとしたい気持ちになりませんか? 誰かと温もりを分け合いたい気持ちもあるけど、一人に浸りたいときってありますよね。でも、なかなかぼんやりとした時間を過ごすのも難しいもの。

カフェで過ごすにしても、お店によってはにぎやかすぎるし、図書館もいいけど逆に静かすぎます。そんなときに行きたいお店が、東京・渋谷の「名曲喫茶ライオン」。ここは素晴らしい音響設備をそなえていて、クラシックを存分に堪能させてくれる素敵な喫茶店です。ただし、私語は控えめというのがお店のルールですよ。

創業は1926年、つまり昭和元年にオープンし現在まで80年以上も営業を続けています。昭和20年の東京大空襲で建物は全焼したそうなのですが、その5年後にまったく同じ造りで再建し、現在まで営業を続けているのだそうです。

お店は劇場型に作られていて、今の感覚のカフェとは随分雰囲気が異なります。テーブル椅子も再建から現在まで現役ですから、お世辞にもきれいとは言えません。しかしこれらの席に、当時から若者たちが腰かけてコーヒーを飲みながら、クラシック音楽に耳を傾けてきたと思うと感慨深いものがあります。

ぼんやりと一人の時間を過ごしたい方にはおすすめです。何も考えていなくても、スピーカーから流れてくるクラシック音楽が、あなたにそっと話しかけてくるでしょう。そしてレコードを通して、美しい旋律が心を優しく包んでくれるはずです。もうずっとここにいたような、そんな不思議な感覚を味わうかもしてませんね。

ここはクラシック音楽と対話する場所。繰り返しになりますが、私語は控えめでお願いしますよ。できれば友達や彼氏とは共にせず、一人でじっとスピーカーに耳を傾けている。それがライオンでの、最良の過ごし方だと思います。

■店舗情報 名曲喫茶ライオン
住所 東京都渋谷区道玄坂2-19-12
営業時間 11:00~22:30
店休日 不定休

(取材、写真=チャーミー)

▼ 歴史を感じさせる外観。昭和25年から変わらぬ姿

▼ 入り口の扉を開くと、まるで別世界にまぎれ込んだような気さえします

▼ こちらは裏口。ノスタルジックな雰囲気が胸に迫ります

▼ 手描きのポスター

▼ 「店内での会話は控えめに願ひます ライオン」

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