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数々の名作を生み出した伝説のフィルム「コダクローム」最後の1本を使い切る旅

2013年2月14日

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フィルムからデジタルへ。今まさに、写真史における1つの歴史が閉じようとしています。1935年の発売以来、数々の傑作に使われてきた米イーストマン・コダック社のフィルム「コダクローム」が、2010年をもって、惜しまれつつ生産を終了したのです。

今回ご紹介するのは、想いを込めながら、工場で作られたその最後の1本を使い切る写真家の姿を追ったドキュメント動画。ナショナル・ジオグラフィックによる『コダクローム最後の1本』です。

スティーブ・マッカリー氏は、世界中の紛争地域を追い続ける写真家。『アフガニスタンの少女』など、世界的に有名な彼の作品も「コダクローム」によるものです。

動画は、マッカリー氏が最後のフィルムをカメラに装填するところから始まります。「私の仕事は外に出て、歩き回り、発見すること」と地元NYの街に飛び出しながらも、1日かけて切ったシャッターはたったの1度。プレッシャーに悩みます。

やがて人間、つまりポートレイトというテーマにたどりつくのですが、そのひらめきをくれたのが名優ロバート・デ・ニーロ。ビジョンが固まり、後は「どこで」「誰を」写すか。そして自身のキャリアの原点、インド各地を巡る旅が始まり……という内容です。

NYのデ・ニーロをはじめ、インドのスラム街に暮らす人々、インド映画ボリウッドのスターたち、伝統的な羊飼い、蛇使いやマジシャンたちなど、写されている人々がまた魅力的! 鮮やかな色やトーンの詩的な美しさは、コダクロームならではのものだと言います。

1本36枚。慎重に使ってゆく姿はとても印象的です。人々と気さくに触れ合い、場に馴染みながら、構図や光を計算し、シャッターを切る。人間的かつプロフェッショナルな姿勢なのです。

「そうやって撮られた写真には、私が観たもの、私が学んだものが写っている」

最後の1本を飾るにふさわしい言葉ではないでしょうか。彼の写真作品をご覧になりたい方は、ぜひ彼のページもチェックしてみてください。

(文=黒澤くの)
参照元:YouTube(http://goo.gl/J6vYT)、stevemccurry.com(http://goo.gl/tFo0N

▼動画はこちら

▼マッカレー氏の代表作「アフガニスタンの少女」

▼ロバート・デ・ニーロはNYの象徴として

▼ボリウッドのスターたち

▼街の人々と触れ合いながら


▼36枚のうち1枚は自分を記念に

▼さらばコダクローム

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