性別も富も名声も関係なく、全ての人間に共通する運命。それは「人は生まれて、老い、やがて死んでゆく」ということ。日頃忘れてしまいがちなそんな事実を思い起こさせてくれる動画があります。
タイトルは「順番の人々:1. 年齢(People in Order: 1. Age)」。1歳から100歳までの人々が順番に登場して自分の歳を言い、タイコを叩いてゆく3分間。私たちにとって忘れがたい出来事があったこの時期に、ぜひ観ていただきたい動画です。
作者の名前は、映像作家ジェイムス・プライス氏。2006年にイギリスのチャンネル4の企画でこの「順番の人々」シリーズを制作しました。テーマは、「1つの単位だけで人を順番に並べて、人生の中の何かを表現できるだろうか?」というシンプルなもの。
イギリス中を車で旅し、可能なかぎり多くの人を撮るために要した期間は、およそ4週間。旅の間、プライス氏が改めて感じ入ったことがあったそうです。それは「人々の暖かさ」。都市の恵まれない地域の労働者階級から田舎の貴族まで、いたるところにそれはあったと。
これ以上ないほどシンプルな動画ですが、不思議と引き込まる魅力に満ちています。それは、登場する普通の人々の魅力。ほんのわずかな瞬間ずつしか登場しないものの、彼ら一人一人の姿から個性が伝わり、その奥の人生までもが透けて見えるからではないでしょうか。
観る人によって様々な想いを抱かせるにちがいありません。皆さんの心にはどんなことがよぎるでしょうか?
(文=黒澤くの)
参照元:vimeo.com
▼動画はこちら