モネットとマディ、ふたりはふたご。パリに住んでいます。今日ご紹介するのは、この双子のおばちゃまたちをとらえた写真と、彼女たちの日常についてです。
皆さんも、人生の中で双子の方々を目にしたことは一度や二度ではないはず。ではなぜ紹介するのかというと、彼女たちの生活がとっても不思議だからなんです。
写真家マヤ・ダニエルス(Maja Daniels)さんが初めて見かけたとき、ふたりはパリの町を颯爽と歩いて来て、目の前を去って行ったそう。彼女は「これって現実!? 」と思わず感じずにはいられませんでした。
それもそのはず、顔かたちもヘアースタイルも洋服も全く同じ、しかも目立つほどちょっと素敵な佇まい。マヤさんは、そんなモネットとマディのシュールな世界に魅せられます。
後に写真に撮らせて欲しいとコンタクト。そして、ふたりが「いつでもどこでも、出掛けるときは同じ格好」と知ります。子供の双子が同じ服装なのはよくあることですけど、大人、しかも熟年の方となると話は別。さぞ強烈な印象でしょう。
ふたりについてさらに知ったこと。ふたりは一緒にアパルトマンに住んでいます。モデル兼ダンサーとして一緒に働いています。会話では同時にしゃべり終えます。結婚せず、子供もなく、ただお互いがいる。その人生は、まさに2人で1人。
若い頃、「ダイヤモンド・シスターズ」という芸名でキャバレーに出演していたモネットとマディ。もちろんお揃いの衣装です。「彼女たちはそれを続けようと決めたんだと思います。毎日の人生も同じように生きようと。」
出会った当時、別件でアルツハイマー症候群についての取材中だったマヤさん。その病気の典型が ”老化し硬直した日常” と結びついていることに気付いたそうです。そんな中で、型破りな生き方するふたりに出会ったのです。
「ある意味で、彼女たちの人生観や自己認識は子供のようです。ふたりは誕生日も祝わないし、年齢も人に教えないんですよ。まさに ”今を生きている” んです」
(文=黒澤くの)
参照元:slate.com