正直に一生懸命やっているのに報われない。自分のうっかり度合いに泣きたい。頑張りがいつも裏目に出ちゃう。
そんなこんなで、お仕事や、仕事上の人間関係にちょっとお疲れ気味の皆さん! 落語を聞きにいってみませんか? 落語を聞くと、ちょっと心が楽になってしまうかもしれませんよ!
落語の魅力を教えてくれたのは、三遊亭美るくさん。美るくさんは現在34歳。IT系企業で働く27歳のときに、仕事で疲れてきった美るくさんを心配して、友達が連れ出してくれたのが落語でした。当時の美るくさんにとって、落語はまったく知らない世界。途中で寝ちゃうかもしれないと思いながら見に行ったのに、ぐいぐいと引き込まれて、半年後には落語家の道へ進むことを決意してしまったそう。そんな美るくさんが教えてくれた落語の魅力を早速紹介しましょう!
■落語は自分の嫌なところを笑いに変えられる!
「落語の主人公はヒーローじゃないんです。ぼんやりしていたり、嘘つきだったり、欲深かったり、知ったかぶりだったり、怠け者だったり。落語の主人公が会社にいたらダメ社員かもしれません。でも、落語の世界ではそういうダメな部分も“笑い”に昇華してくれるんです。」と美るくさん。確かに自分の嫌いなところも明るく笑えたら、ちょっと元気が出てきそう。
■温かい心の交流が話のなかに生きている!
落語では誰かのために一肌脱ぐような人情話があったり、笑いながらも人として当然の道徳が伝わってきたりするような話がたくさんあるのも良いところ。現実の世界には、一生懸命まじめにやっていても傷つくこともありますが、落語の話には誰かを傷つけるような、底意地悪いものはありません。「落語にはたくさんの話があるので、聞けば聞くほど温かい人間関係が学べます。」と美るくさんは言います。
■ほかのエンターテイメントにない楽しみ方ができる
落語を聞く場所としては、「落語会」や「寄席(よせ)」があります。はじめて落語を聞くなら「寄席」に行ってみるのがオススメ。鈴本演芸場(上野)、新宿末広亭(新宿)、浅草演芸ホール(浅草)、池袋演芸場(池袋)、国立演芸場(半蔵門)、天満天神繁昌亭(大阪)といった寄席では年末年始も含め、ほぼ毎日開催しています。しかも寄席で見られるのは落語だけではないんです。漫才や手品なども見ることができます。
その上、寄席内では飲食自由。服装も普段着でOK。たいてい昼の部(12:00頃~16:00頃まで)と夜の部(17:00頃~21:00頃まで)がありますが、ずーっと一人の芸人が1つの演目だけをやっているわけではなく、入れ替わり立ち替わり芸人さんが出てくるので、途中から入っても楽しめます。木戸銭(入場料)も2,500〜3,000円程度と、何人もの芸人さんの生の芸が見られると言うのに手頃です。
普段着で食べ物や飲み物をもって、気が向いたときにふらーっと入れる。そんなエンターテイメント、他にはないですよね。
■最初の一歩を踏み出すために
お疲れ女子になんだか良さそうな落語。とはいえ、何かのきっかけがないと、なかなか最初の一歩が踏み出せないかも。そんな人に、美るくさんが以下の方法を教えてくれました。
1.夜9時半スタート、11時に終わる500円の「深夜寄席」に行ってみる!
新宿末廣亭では、夜9時半から始まり11時に終わる「深夜寄席」が行われる日があります。木戸銭(入場料)もなんと500円! 新宿に遊びに行ったついでに、ふらっと寄ってみてはいかがでしょうか? 深夜寄席は毎日やっているわけではないので、行く前にホームページで確認してくださいね。
2.今年の夏から寄席デビュー! 浴衣割引を使ってみる!
浅草演芸ホールの寄席では、今年も毎年恒例の「浴衣割引」を実施中。期間は7/1から8/30(但し8/11~8/20は除外)。また、池袋演芸場、鈴本演芸場でも浴衣・着物割引をやっています。浴衣って、着たいけれどなかなか着る機会がなくて、ひと夏にせいぜい着ても1、2回……というものではありませんか? 浴衣を着る口実に、寄席に行ってみてもいいのかも! ただし、作務衣や甚平は対象外とのことなので、お気をつけて!
3.飛行機の中で落語を聞いてみる!
夏休みに飛行機に乗る人も多いのでは? 日系の飛行機会社を使った場合、機内のオーディオ・プログラムで落語をやっていることも多いんだとか。いつもはスルーしていたかもしれませんが、ちょっと聞いてみたらはまってしまうかもしれません。
元OLの三遊亭美るくさんは女性落語家ならではの落語をなさっているとのこと。美るくさんの落語を聞きたい方は、ぜひブログをチェックしてみてください。仕事で疲れた皆さんは、落語で心が楽になっちゃうかもしれませんよー!
取材協力=三遊亭美るくさん(http://ameblo.jp/3utmilk/)
(取材、文=FelixSayaka)