ネットサーフィンをしていて一番残念な瞬間。それは“これだ!”と思うサイトに飛んだ時に突如として画面に現れる「404 Not Found(サーバが見つかりません)」という文字を認識した時ではないでしょうか。
元々存在しないページだったのか、それとも何らかの都合で削除されたのか。この冷たい11文字からは推し量ることはできないけれど、この文字列が現れたときに感じる敗北感は結構深く、記者(私)の場合は立ち直るのに数秒を要します。
そんな冷酷な「404 Not Found」表示を、村上春樹さん風の柔らかい表現で伝えてくれるサイトを発見しました。
というわけで本日はWeb制作者である東信伍さんが作成した「404 ノット・ファウンド あるいは、ページが存在しないことについて」をご紹介します。
【ひとこと目から村上風ワールド全開】
「そのページはかつてここに存在していたか、あるいは元から存在していなかった。ただひとつ言えることがあるとすれば、君の探していたページは今、ここには存在していないということだ。」
という文章から始まる東さんの404Not Foundサイト。画面には東さんと思われる男性がコーヒーを飲んでいる白黒写真が大きく映し出されています。コーヒーカップ、コート、脱力した雰囲気、そのすべてが村上ワールドっぽくていい。
続く文章には
「数十秒後には忘れてしまう」「土曜日の朝」「ドリップコーヒー」「にわかには受け入れがたいことだが」「僕たちはそんな風にして生きている」「世の中とはそういうものだ」
といった“いかにも”な村上春樹風表現をちりばめながら「君が表示しようとしたそのサイト、存在しないから」ということを優しく伝えてくれます。
そして極めつけは最後の1文。
「やれやれ、またトップページか。」
やられました。脱帽です。この「やれやれ」感、村上春樹風ワールドがビンビンです。
【ツイッターの声「面白すぎる」】
東さんのこのページはネット界にも反響を呼び、多くのコメントが寄せられています。
「才能を感じる」
「腹筋痛くなるほど笑った」
「あかん、面白すぎる」
「世にはびこる出来の悪い村上春樹風テキストは嫌いだったけど、これは好き!」
こんな風に「検索しているページがない」ことを伝えてくれるなら、また次探そうという気持ちになれるかもしれない。いや、もしかしたらそのままドリップコーヒーを淹れに席を立ち、そのまま公園に散歩にでも出かけてしまうかもしれない。でもまあそれならそれで構わない。だって「世の中とはそういうものだ」から。
……思わず自分も村上さん風に語ってみたくなる、優しい404 Not Foundサイト。興味のある人はぜひチェックしてみて。
参照元=404 ノット・ファウンド あるいは、ページが存在しないことについて
執筆=南野バンビ (c)Pouch