黒川イ衣一(イイイ)さんこと黒川竜浩さんがツイッターで発表している1コママンガ「一人暮らしのOL」。
そこで描かれるひとり暮らしOLちゃんの不憫さや切なさ、日々の心折れ具合などにシンクロしたユーザーから「これは私(俺)ですか?」といった反響が続々と寄せられるなど、話題となっています。
女子の独身・ひとり暮らし・非リア充感をやわらかめの線でリアルに描く作者さんに、OLちゃんの魅力に迫るべく直撃してみました!
【「一人暮らしOL」誕生のきっかけは?】
友人や先輩がネット上に辛い本音を書いているのを見て、それを勇気付けたくて描き始めました。
苦しんでいる社会人の姿をイラストにすれば彼ら自身のことを擬似的に客観視できるのではないかと思ったので。
近しい人が吐露したしんどさを具現化したのが、OLちゃんということのようですね。たとえば足の小指を角でぶつけたときの痛さのように、周りからは大事と思われなくても、当事者は泣きたいほどの痛みを感じること、多いですよね。
【「ハーゲンダッツ」「ゾイド」など作中の小物はどうやって決めた?】
基本的にモデルになっている人たちの趣味に基づいています。普段つらそうな人でも趣味にふけるときってけっこう楽しそうで安心します。
見た人の日常と地続きな気がして強い共感を覚えるのは、実体験に基づいているからなのですね。
部屋のちらかり具合、たとえば床に転がっているレモンジーナやじゃがりこの容器などが描かれたりすることも「あるある!」感を増幅させています。
【一気に存在が知れ渡ったOLちゃん。その後、周囲の変化は?】
モデルになっている人には「地味に嬉しい」と言ってる方もいました。自分としてはコレが有名になるのは、作品の狙い的に喜んでいいのか複雑でした…
フォロワーやコメントをくれる人がすごく増えて2日ほどプレッシャーがすごかったんですけど、今はあまり考えすぎないようにしています。
一気に注目されるようになったことに戸惑いもあったようですね。ちなみに作者ご自身もツイッターで呼びかけてますが、いくら気に入ったからといって無断転載は「ダメ、絶対」ですよ!
【カエルさんが気になって気になって…】
寂しいときは寄り添い、ベッド、床、衣装ケースからそっとOLちゃんを見守るぬいぐるみのカエルさん。これも実際に存在するぬいぐるみ「ピクルス・ザ・フロッグ」がモデル。黒川さんのお気に入りみたいです。
「OLちゃんの隣にいるカエルさんの名前を教えてください。カエルさん、かわゆい。」「カエル可愛いね」
という声がask.fmに開設された「一人暮らしOL」専用の掲示板にも寄せられていました。
OLちんの描写だけでも秀逸なのですが、時々登場するサバイバルゲームフリークとおぼしきラッパーなお兄さんの存在も大いに気になります。
休日空けの朝の憂鬱、楽しいことがあってもひとり、飲み会などのにぎやかな場所でついつい気後れしてしまう……でも、いわゆる非リア充な生活ぶりだけでなく、涙を流しながらも健気に暮らしているOLちゃんに、読者は自分の姿を投影しているのかもしれません。
私(記者)だったらカエルのピクルスに「代わりに会社行ってきてよぉ」なんて無理難題をふっかけたりしそうです……
どうかOLちゃんに、陽だまりのような幸せを!
画像提供:黒川イ衣一(@black9arrows)
参照元:黒川イ衣一(黒川竜浩)、公式Twitter
執筆=日向陰ル (c)Pouch
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