「京料理」はよく耳にしますが、「江戸料理」もあることを知っていますか。
江戸料理は、江戸時代に江戸で食べられていた料理のこと。かつおぶしとしょう油がしっかり効いた味が特徴です。そんな江戸料理の名店と呼ばれたのが、300年の歴史を誇る料亭「八百善」。今回、その八百善につたわるレシピのなかから厳選された130品を紹介する料理本『江戸料理大全』が登場しました。
こちらには、鬼平犯科帳も食べていた!? 「ねぎま鍋」、庶民が愛した「初鰹のげた造り」など、これぞ江戸料理というレシピが紹介されていて、とっても興味深い一冊。料理や歴史好きのみなさんにぜひ手にとってもらいたいのですっ。
【名店「八百善」の味を今に伝える一冊】
「八百善」は、当時の料理番付で数ある店をおさえて1位に輝いていたという名店。大名や将軍が訪れたり、歌川広重の絵に描かれたりするほどだったそう。そして江戸時代からの老舗がつぎつぎと姿を消すなか、場所を鎌倉に移し、今でも営業を続けていて、今年創業300年を迎えます。
【マグロのうまみが染みこんだ「ねぎま鍋」】
そんな八百善の現在の当主10代目栗山善四郎に伝えられたレシピから一部ご紹介すると……。
こちらは「ねぎま鍋」。マグロのアラ、長ネギ、小松菜をしょう油や砂糖、みりんなどを入れた甘めのダシで煮込んだもの。野菜にマグロのうまみが染みこんで絶品だそう。鬼平も食べてた!? と考えると、なんだかうれしくなりますねっ。
【旬を楽しむ「初鰹のげた造り」】
そして「初鰹のげた造り」。初夏にかけておいしいカツオを直火にかけて、塩酢とあわせた長ネギやミョウガをのせたもの。初物が大好きな江戸っ子たちは、旬のカツオの弾けるような食感をこんなふうに楽しんでいたようです。酒の肴にもよさそう~。
こんな感じで「お造り」「椀盛り」から「焼き物」「蒸し物」「煮物」「ごはんもの」まで、江戸料理がどんなものだったのかよく分かる内容となっています。
ご紹介した『江戸料理大全』は、誠文堂新光社から3500円(税別)で販売中。実際に作ってみるのはもちろん、眺めるだけでも楽しめそうです。興味のある方は、ぜひ江戸料理の扉をひらいてみてください!
参照元:プレスリリース
執筆=シナモン (c)Pouch