お祭りなどで見かける和太鼓。その材料の木材が一定基準に達していないと、太鼓になることなく廃棄されてしまうというのはあまり知られていないことではないでしょうか……。
今回ご紹介するのは、太鼓づくりの過程で出る廃材を活用してアップサイクルするプロジェクト「The Curve」。
歴史ある太鼓の老舗×フランス人デザイナーの共同制作を経て、捨てられるはずだった太鼓が美しいスツールに生まれ変わりました!
【太鼓の曲線が「座面」に】
祭りや芸能で使われる楽器や道具を約160年作り続けてきた、文久元年創業の宮本卯之助商店。
太鼓制作の過程で見つかる割れや、修復不可能なフシや虫食いのために、太鼓になれなかった太鼓の胴を活かしたいと考えた結果、プロジェクト「The Curve」が生まれました。
目指したのは「太鼓ならではの曲線を活かしたスツール」。
フランスのプロダクトデザイナー、ピエール・シャリエさんとタッグを組み、座面に太鼓の曲線を採用した、どこから座っても心地良い丸みを感じるスツールを完成させたのです!
【職人技が光ってます】
太鼓を作り続けてきた職人たちによる「手かんな」の技術で仕上げたスツールは、なめらかで芸術的な曲線が実現するほか、撥水性にも優れるといいます。
お部屋の格を上げてくれそうな優れたビジュアル、包まれるような安心感、長く愛用したくなる使い心地……。全てを兼ね備えたスツールからは「太鼓にはなれなかったけれど、太鼓以外の何者にもなれる」という強い可能性を感じます。
【材料自体が希少です】
希少なケヤキなどの素材から作られる太鼓。最低でも80年以上かけて成長した幹(!)を使用するといいます。
そうした木を見つけること自体が難しそうなのはもちろん、たとえ制作が順調に見えても、乾燥が原因で割れてしまうこともあるそう。全ての条件を満たしていないと太鼓にはなれない、とっても繊細な作業なんですね。
廃棄を免れて美しく生まれ変わったスツールは「Re-Taiko Stool No.10」と「Re-Taiko Stool No.2」の全2種類。お値段は8万8000円です。
気になった方は、ぜひ公式サイトから問い合わせてみて♪
参照元:プレスリリース、宮本卯之助商店
執筆:田端あんじ (c)Pouch
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]