日本が世界に誇る観光地・京都には、女性を魅了するスポットがたくさん点在しています。歴史ある寺社仏閣をはじめ、和菓子スイーツなどの京グルメ、京雑貨、パワースポットなど。京都に20年近く足しげく通うポーチ編集部の女性記者がおすすめのスポットをシリーズで紹介しています。
今回は、素朴だけど奥深い味わい、都の厄病退治の願いを今に伝える『唐板(からいた)』(1袋680円)です。
『唐板』のはじまりは平安時代といわれています。863年(貞観5年)、京の都にまん延した疫病を鎮めるため、当時、天皇のための庭園だった『神泉苑(しんせんえん)』で御霊会が行われました。その御霊会の神前に供えられたのがこの『唐板』だったそうです。
そして今も『唐板』を販売するのが上御霊神社の門前に店をかまえる『水田玉雲堂』。1477年(文明9年)創業で、御霊会は応仁の乱を境に途絶えてしまいましたが、乱後、水田玉雲堂の先祖が『唐板』の由来を知って再興し、当時あった上御霊神社境内の茶屋で出したところ、厄病よけのせんべいとして広まりました。明治維新までは皇室御用達としても知られ、その味は現代まで受け継がれてきたとのことです。
この『唐板』はとてもシンプルなお菓子です。原料は、小麦粉、砂糖、鶏卵のみ。1枚がとても薄く、パリッとした食感に加えて、ほのかな甘さが口の中に広がります。そしてどこか懐かしく、上品な味がします。温かいお茶と味わうとさらにピッタリ合いそうです。
日持ちするお菓子なので、京土産にぜひおすすめの逸品です。
【お店のデータ】
店名: 水田玉雲堂
住所: 京都市上京区御前町394
TEL: 075-441-2605
営業時間: 9:00~18:00
定休日: 日曜日、祝日
交通アクセス: 地下鉄「鞍馬口駅」徒歩3分
http://gyokuundo.com/