― 原発、いつ、やめるのか、それともいつ、再開するのか。それを決めるのは、電力会社でも役所でも政治家でもなくて、私たち国民一人一人。通販生活秋冬号の巻頭特集は、『原発国民投票』―
名優、大滝秀治さんのナレーションが自然と心に沁みてくる、シンプルな映像が印象的な、『通販生活秋冬号』(株式会社カタログハウス)のCMが今、話題を集めています。
原発事故後、原発を肯定するわけでも否定するわけでもなく、「国民が決めることだ」という確固たる意志表示を大きく示した企業は、ほかに類をみません。現在、ツイッター上などで囁かれている「テレビ局各局に放送を断られたらしい」という噂の真偽も含めて、話題のCMについて、カタログハウスの広報の方に直接聞いてみることにしました。
Q―― 現在ツイッター上などで『原発国民投票』を訴えるCMの放送を、テレビ局各社に断られたと噂になっていますが、それは事実なのでしょうか。
A―― それは、事実である部分と、そうでない部分があります。まずそうでない部分というのは、我が社のテレビCMは元々テレビ朝日でしか流しておりませんでした。というわけで、断られたのは、テレビ朝日だけ、ということになります。事実、という点では、放送を断られたということに関してだけは、事実です。
Q―― では、このCMはいつごろ先方に断られたのでしょうか。また、その際は断られると思っていましたか。
A―― まず、いつ頃ということに関しては、この秋冬号(原発国民投票を訴えている号)の書店発売が11月15日だったため、それに合わせて話を進めていたところ、先月末に断られたという経緯です。それにもちろん、CMを製作する段階では断られるということを前提にはしておりません。
Q―― では、断られたことをどう捉えましたか。
A―― 考査の基準は各社それぞれですので、理由はテレビ朝日に直接聞いていただくのが筋だと思います。
Q―― それでは今回、『原発国民投票』と大きなテーマを掲げることになった、その経緯をお聞かせください。
A―― そもそも「通販生活」では、チェルノブイリの原発事故をきっかけに反原発の編集方針でやってきました。子供の命やふるさとの喪失。それらはすべて、ほかの誰でもなく、国民自身に関わってくることなのです。だから、その第一歩となる国民投票に向けて進めるよう、皆さんに広く訴えようと今回の号の第一特集にいたりました。
カタログハウスのような有名企業がこのような声を挙げたことは、非常に意義のあることだと思います。CMには、誠実さと良識、そして真っ当な民主主義を感じずにはいられません。
Q―― ちなみに、秋冬号が発売されてから、カタログの売上や反響はどうでしょう。
A―― 現在、前年と比べて売り上げは良い方ですが、これが特集記事と関連しているのかというと、わかりません。皆さんが考えるきっかけを持ってくれることを願っています。
丁寧に、そして誠実に質問に答えて頂いて感激しました。カタログハウスさん、本当にありがとうございました。テレビで放送できなくなったCMは、現在カタログハウスのホームページ上にちゃんと掲載されているので、ぜひホームページにアクセスしてみてくださいね。
そしてあなたも、国民全体の問題である『原発国民投票』について考えてみてください。あなたの意見を形にするため、国民全体としての意思を示すため、今こそ動くときなのではないでしょうか。
(取材・文=田端あんじ)
参考元:cataloghouse.co.jp(http://goo.gl/Q0uyh)