そりゃ知らなかったなんて恥ずかしーよ、あなた!
と思われる方も多いと思いますが、お恥ずかいことに記者はミャンマーの首都をいまだにヤンゴンだと思っていたのです。おそらくヤンゴンじゃないとわかっている方でも、首都名を言える方はそれほど多くないのではないでしょうか。
先日、取材でミャンマー(ビルマ)のヤンゴン行きが決定したことにより、周辺地理に関する情報を読みあさっていたところ……。
「首都は、ネピドー/ Naypyidaw (日本の外務省表記では、ネーピードー)」
と、あるではないですか! ネ、ネーピー?……ネピ? 聞きなれない名前。てっきり、「首都」であるヤンゴンに行くと思っていたので拍子抜けした次第です。遷都については、そういえば……とも思うし、とにかく人の記憶なんて曖昧なものですね。いやあ、せめて行く前に知ることができて良かった良かった。
首都をヤンゴンから、北方約300キロメートルに位置するネピドー(ピンナマ県)に移されたのは2006年。元は軍用地だった場所に新しく作られた都市で、大型ショッピングセンターや観光客などを見越した高級ホテルが充実している反面、大きな病院がなくレストランも少ないなど、都市としての充実ぶりはこれからのよう。
遷都の理由は諸説ありますが、軍政維持というのが専らの理由ではないかと思われているようです。ですが、2007年には就任したばかりのテイン・セイン大統領により軍政主導の政治体制の改革が開始。昨年は非暴力民主化運動の指導者であるアウンサンスーチーさんが解放され、街の様子も随分と軍事色が薄くなってきたようです! このまま平和な日々が訪れますように。
ちなみに、ミャンマー連邦共和国の正式名称は「ピダウンズ・サンマダ・ミャンマー・ナインガンドー(通称 ミャンマー・ナインガン)」というそうですよ。長っ! この名称は、1989年に軍事政権が「ビルマ」から改称した英語表記であり、ビルマ語での国名はそのままなのだそうな。そんな理由から、かつて軍事政権を認めない立場を示したマスメディアなどは「ビルマ」と表記することも多かったようです。
一方「ビルマ」という名称は、植民地時代にイギリスにより利用された名前でもあるため、逆に「ミャンマー」表記を支持する者も多いのだそう。複雑ですね。というわけで当サイトでは……現在のところ中間をとりまして「ミャンマー(ビルマ)」としておきます。
(写真、文=メル凛子)